[03] 愛してる 「大好き」 「だーい好き!」 「グリーンが好きよ」 「あたしはグリーンが大好き」 「ほんとにほんとに好きなの!」 「グリーンだから好き」 「大好き」 「好き」 「好きよ…」 幸せそうに微笑む笑顔。 嬉しそうに紡がれる言葉。 もう、何度聞いたか覚えていない。 「…なんでそんな好きだ好きだ言えるんだよ…」 「え?好きだから」 他の女と違うなんて、おまえ以外年の近い女で話すことがないって話だ。 「…まぁ好きって、人それぞれだけど、なんかの瞬間に、何かを感じるもんなんじゃないかなぁ。あたしもよく知らないけど、あたしはグリーンを好きだって思える瞬間は、そうだったよ?」 だからなんでこいつはそういう恥ずかしいセリフを、何の躊躇いもなく言えるんだか…。 「…だからあたしはグリーンが好き。好きだから好きだって伝えたいし、伝えたいから言えるときにあなたに好きだって言い続けるの」 「あ、っていうか、好きっていうか、あたしはグリーンを、愛してる…の方が正しいかな」 「…っ」 顔が…? あれ…… 2006年10月28日 Fin
ふふ。二人が付き合いだす前の話。馬鹿な兄さんのできあがり。今回も兄さん視点。なんだか兄さんにとっては姉さんはなんか今まで会ったこともないような不思議な人で、自分もどう接していいのかなぞというか。でも人って、未知の存在に出会うと、楽しく思ったりすることあるから、彼もきっと、彼女といることは、すごく楽しいことだといい。いいなぁ。そう言う二人。っていうかこれじゃブルグリ好きな人のためのお題になっちゃう!?
少なからず、100回以上は言われた気がする。
俺は何度目かも、告白なんだか、そうでないんだかもわからない言葉に、うんざりしたように返した。
「だから、そう言ことが聞きたいんじゃなくて、なんで好きか聞いてるんだ」
はぁとため息をついた。
「…なんで?…好きになるのに理由は必要?」
首を傾げられる。
「…好きだ思った何かはあったわけだろ?」
再度ため息が出る。
「…うーん…まぁそうだねぇ」
「それがなんだったのかって話だ」
「…なんだったかなぁ」
「おい!!!」
ほんとにそれで好きだとか思えるものなのか。
「なんか会うたんびに好きだって思えるから、なんかどれが最初だったのか曖昧で」
「なっ!?」
なんでそんなこっぱずかしいセリフを躊躇いもなく言えるんだ!
「グリーンは、ほんとにあたしを好きだって、思ったことないの?」
切なそうに見られ、なんだか自分がそうさせてるのかと思うと、少し罪悪感を感じた。
「…よくわからん」
俺は視線を反らす。
「他の女の子と違う風に感じたら、それは好きってことだよ?」
彼女はくすくす笑いながら言う。
「うるさい女だとは思うけどな」
こいつ、謀ったのか…。
「えーそれだけなのぉ!?…まぁ、他の人と違う見方をされてるだけ、まだましなのかしら…」
うーんと彼女は考え込む。
イエローはレッド一筋の、俺にとっては弟子だからなぁ。
いつもの幸せそうな笑顔を向けられる。
「…っ」
顔が熱い。
彼女は幸せそうに微笑んだ。
顔が、熱い…?
あとがき
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