[04] 永遠なんて
 

 

[04] 永遠なんて

 

永遠』なんて言葉、なければよかったのに…。

そうすれば、そんな意味なんか、求めたりしなかったのに。

永遠なんて、信じない。
永遠なんて、ありえない。
永遠なんて…

「…グリーン」
小さく彼の名を呼ぶ。
「ん?」
彼があたしに振り返る。
「…」
あたしは彼をじっと見上げる。
「どうした?」
彼は苦笑して、優しく頭を撫でてくれた。

こんな、こんな幸せなときが、永遠に、続けばいいのに。
未来永劫、ずっとこのままであれば…

「…っ」
「うわっ!?」
あたしはぎゅっと彼に抱きつく。

願いを、いや…欲望を…断ち切るように…。

「…どうした?」
「好きよ…好き…この命がある限り…ずっと…ずっと…」

この命ある限り、それが永遠の終着点だと願って…。

「…どうしたんだよ、いきなり」
彼は少し困ったようにあたしを見ながら、あたしの頭を優しく撫でてくれる。
「好きよ…」
なんだか泣きそうで、彼の胸に顔を埋めた。

 

 

永遠』なんて言葉、なければよかった…。

そうすれば、そんな意味なんか求めて、欲望と、信じてきたものの矛盾に、心を蝕まれることなんかなかったのに…。

永遠なんて、信じない…はずだった。
永遠なんて、ありえない…はずだった。
永遠なんて……ってそう思ってきたはずなのに。

気づけばあなたに、『永遠』という言葉の意味を求めてる。

永遠なんて………

 

 

 

 

 

 

 

 

ありえない……

 

 

 

 

 

 

「あなたを永遠に、愛してるわ……」

 

2006年10月29日 Fin


あとがき

信じてきたものと、欲望との矛盾=過去からの離脱。って意味で書いてます。今まで信じてきたものは、過去の自分が作り上げてきた原理。現実を生きるのに、未来を目指すのに、過去の原理は形を変える。と思うのです。みなさんもきっと、子供のころや、10年くらい前の考え方ときっと大きく変わった部分ってあったと思うんですね。だから、姉さんも今、大きく変わろうとしているんだって意味を込めて、姉さん視点で。強く美しく、すてきになってほしいと思います。

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