2 全て、弱さを曝け出してしまったら 全て、弱さを曝け出してしまったら、あなたは、あたしを嫌いになりますか? もし、本当のあたしが、あなたの中のあたしと違ったら、あなたはあたしを…嫌いになりますか? 「なんだ」 反応はどう返ってくる? 「今頃気づいたのか?」 「え?」 「……っ」 そうやって、いつもあたしを壊す。 あたしを嫌いになりますか? 全ての弱さを曝け出してしまった先にあるのは、強さだ…。 2005年10月6日 Fin
これが2作目。まだこのころまではブルグリオンリーで書く気でした。あはは。沙耶ちゃんに兄さん視点のが萌えるんだよ!って言われたので、まぁいいか。思いつくから書こうってことで、グリブルも増えました。まぁグリブルしかかけないのもあったんで逆によかったんですが。
あなたが見てるのは、どんなあたしですか?
あなたが必要としてるのは、どんなあたしですか?
あなたがそばにいてくれているのは、どんなあたしですか?
じっと見つめていたら振り返られた。
「…ねぇ」
「ん?」
「……あたしって弱いよね…」
んなわけないと否定されるか。
それとも……
「…っ」
「いまさら何を言い出すかと思えば」
彼は苦笑して、本に視線を戻す。
「…え、嘘、あたし弱くないもん!!冗談よ!真に受けないでよ」
そこまで肯定されると、むかつくものがあるのは自分勝手だろうか。
「…弱くないってやつのがよっぽど弱いんだよ」
小馬鹿にしたような言い方に、余計に腹が立つ。
「何よその馬鹿って言ったら馬鹿って言った奴のが馬鹿なんだっていう原理と似たような返し方」
むっとして、頬を膨らませた。
「だいたいにして、最初から強い奴なんかいるか。弱くなきゃどこ強くしていいかもわからないだろ」
どこを強くしていいか、わからない?
「強いってことは、そこが自分の弱さだったってことだろ?」
「…」
強くなったのは、自分が弱かったから。
「おまえなんか、強がりの塊なんだから、弱いことくらい、最初から知ってるさ」
涙が…あふれた気がして、ぎゅっと背中に顔をうずめた。
「どうした?」
彼の気づかないふりが、妙にこそばゆい。
「…強がりの塊ってなによぉ」
声が上ずりそうだ。
「まんまだよ。つーか弱いなんて、いまさら」
けっと彼が鼻で笑う。
「馬鹿」
知ったように言わないでよ。
あたしの中を、平気で暴いていく。
愚問だ…。
曝け出す前に、知っていてなお、そばにいてくれたのだと、分かってしかったから…。
そう、彼から教わった気がした…。
あとがき
これはそこまでシリアスにせず、希望を持てる話にしたつもりです。自分の強い人ほど弱いという概念を前面に出した作品でもあります。
姉さんは弱い自分は誰にも受け入れてもらえないと思ってるので、試すつもりだっただけなんですよね。でも兄さんが思わぬ答えを返してくるもんだから涙腺緩んじゃった、みたいな感じで。自分の弱さを受け入れてくれる彼のそばにいるのが一番の幸せだなぁってそう自覚するっていうか、実感するって感じの話でもあります。そんな中で、彼のおかげで、弱さを強くなっていく糧にしていけるのだと知っていけるって話です。私的「おまえなんか強がりの塊だ」って言葉が好きです(笑)
ブラウザのバックでお戻りください。