3 何時か必ず訪れる別れ 永遠なんて、ありはしない。 ましてや、こんなあたしと、ずっと一緒にいたい人なんて、いるはずない…。 「…」 永遠が欲しくて、共に居たかったわけじゃないはずだった…。 はずなのに…… 「……んっ」 あぁ…あたしも人か…。 「……でも、絶対ゆるがないよ」 彼が暖かいのは、生きてるから…。 生きている限り、いつか必ず……死ぬ…。 「じゃああたしは、死ぬまであなたを愛し続けるわ」 いつか必ず、別れは訪れるけれど、それまであたしは、愛し続ける。 2005年10月7日 Fin
微妙に「盲目の夏魚」と内容がかぶります。あの話も永遠を信じない話です。まぁとりあえずこっちは、死を少し持ってきちゃいました。でも死は、今の姉さんにとって希望になったわけですよ。つまりは、死ぬ以外で、別れるなんてありえないって言われたようなもんですからね。自分たちを引き裂くものがあるとすれば、それは死であると。ある意味くさいですが(笑)兄さんなりの姉さんへの不安の取り除き方です。だからこそ、姉さんは希望を持てたわけで。だったら死ぬまで愛し続けるぞ!と意気込んだわけです。なので、死をテーマにもってくるなよぉと怒らないでくださいませ。希望になんです!悲しくないのです!だから一生懸命、今生きている人間であるということを強調したんですからぁ。
人は変わり行く生き物だ…。
人の気持ちに、絶対なんてありえない…。
隣で眠る、愛しき彼。
頬に触れれば、紛れもなく生きる人としての証を感じる。
絶対が欲しくて、想いを求めたはずじゃなかった…。
彼が目を開ける。
「…あ…ごめんなさい」
起こしてしまった?
「…どうした?」
眠い目をこすりながら、彼はあたしの頬を撫でる。
あたしが、人であると確認した方法を、彼がする。
あなたへの、想いだけは…。
「…何がでもなんだ?」
心の声は、届くはずはなくて…。
「……ずっと…ずっと大好きよ…。でも、永遠なんて、ありえないから…」
避けて通れない…いつか必ず訪れる…別れ…。
「そりゃ、永遠なんて、この世にはありはしないさ」
ほら、彼だって…
「人は、必ず死ぬからな…」
あたしが暖かいのは、生きてるから…。
死ぬときが、別れのときだ。
「…何の話なんだよ、いったい」
彼は、しかめっ面をしながらも、妙に頬を赤らめていた。
「…すごくグリーンが大好きですって話」
ちゃんと、笑顔を浮かべられた気がする。
「なんだそれは」
彼は真っ赤な顔をしていた…。
あたしだけの、唯一の…愛すべき人を……。
あとがき
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