5 勇気はないのに 人を好きになるって、どんな感情なのかよく分からなかった…。 「グリーン、大好きよ!」 あいつは、なんのためらいもなく、『好き』という言葉を口にする。 よく言えるな、と言ったら、 好きって何だ…。 何度も好きだと言われるたびに、最初の嫌だと思った気持ちは薄れ、むしろ嬉しいという気持ちの方が増えていく。 でも、その嬉しいという気持ちが、本当にあいつを好きだと思ってる気持ちなのかまでは、分からなかった…。 だから、その気持ちに答えられないままだったんだ…。 その…はずだったなのに… 「ブルー!!」 自分から離れていく彼女を。 ちゃんと言葉で答えてやれる、勇気はないのに…。 その感情に、名前がつくのは、そう遠くない、未来の話…。 2005年10月8日 Fin
この後どうなんねん!?なんでそうなったんねん!!!って突っ込みは受け付けません。想像にお任せします。ある意味これは予告小説みたいな感じなんですよ。続かない予告みたいな。ただ、きっと兄さんたちの馴れ初めの話はこんなんじゃないんかなぁって感じがして。兄さんは絶対好きだって感情には理解はないんじゃないかなって感じがします。だから姉さんが好きだ好きだいうのがなんでか分からなくて。でも、自分という一人の人を、好きになってくれるのってよっぽどのことがないかぎりが、そんなに嫌なことではないと思うんですね。だから、少しずつでも、姉さんの気持ちを受け入れていけるだけの心の余裕さをもってくれればいいなぁと思います。でもどこかで葛藤してて、これが好きという気持ちなのかはっきりしないまま、月日は流れていくばっかりで。そして姉さんを失う恐怖の先にある、自分の気持ちに、きっと彼はこれから気づいていってくれるはずなのですよ!っていう兄さんを語るようなお話でした。これはなんでかブルグリは浮かびませんでした。甘えるのが怖いのはと少しかぶる気もしたので。
「グリーン」
「グリーン…」
「…好きよ…グリーン」
「だってそれだけ、大好きだもの」
と言われた。
好きだって想いが多ければ、そんなに好きだと言えるものなのか?
こんな自分にも、顔や能力や、地位や名声じゃなく、俺自身を好きだと、必要だと言ってくれる人がいるのだと、そう思えたからだった…。
確信がない想いに、名前をつけることが、できなかったから…。
「…っ!?」
引き止めていた。
俺のそばから、いなくなろうとする彼女を。
なのに、手は、彼女の腕を掴んでいたんだ。
声は、彼女の名前を、呼んでいたんだ。
あとがき
ブラウザのバックでお戻りください。