6 過去に犯した過ち 「過去ねぇ」 たしかに。 「グリーンって物事をはっきり言い過ぎるのよ。言われたくないことずけずけと言っちゃうし、突っ込んじゃいけないとこ突っ込むし。人が傷つくことを平然と言ってのけちゃうし。嫌いな人は徹底的に嫌うし。冷静に見せかけてめちゃくちゃ無茶する人だし。なんていうの?噂や周りからの概念からは想像もつかないくらいのことを平気でやってのけちゃうからさ」 そういうことを平然と言うおまえも信じられないけどな? 「…あれよね、しゃべらなきゃかっこいい、素敵な人なのよ」 「まぁでも、それが自分の過ちだったとするならば、ずいぶんひどい過去を持ったもんだよなぁ、俺も…」 「…もう少しまともだったなら、今みたいにめんどくさい状況にならずにすんだんだと思うとさ」 おのれグリーン!とか、たかがオーキド博士の孫の分際で!!とか。 歩けば勝負を挑まれるわ、文句を返せば殴りかかられるわ。 「……そういう考えな時点で、あなたにはもっと敵が増えるわね」 「……今どこかで、敵増えたわよ?」 「馬鹿」 2005年10月8日&9日 Fin
これもブルグリの続きになってます。弱さの話とで出しは似てたりしますが。っていうか最初書いたときめっちゃ似ててあせりましたけど(汗)まじやなかったなぁ。
部屋の天井を見上げながらそうぼやく。
「なんか言った?」
隣で寝ていた彼女が俺の顔を覗き込んだ。
「いや、俺にもなんか、過去にやっちまったとこととかあったかなぁって思ってさ」
優しく頬を撫でる。
「グリーンにも何かあるの?」
撫でられるのがうれしいのか、幸せそうな顔を浮かべる。
「いや、人間誰しもどこかで間違いを犯してるはずだからさ」
「どうして?」
首をかしげる。
「間違いのない人間なんて、人間じゃないからな」
そんな完璧人間なんて恐ろしい。
「…でも、グリーンって完璧さんって感じがするよね。周りの印象からは」
「やめてくれ」
俺は完全体のロボットじゃない。
「周りの印象からはって言ったでしょ?」
あたしはそう思ってません。と彼女は頬を膨らませた。
「じゃあおまえの印象は?」
じっと彼女を見上げる。
「…あんた以上に、完璧から程遠い人間なんて、早々いないんじゃないかって思ってるんだけど」
「それはそれでむかつくんだが?」
顔をしかめる。
「だって、完璧人間なら、そこまで敵多くないでしょ?」
「…」
そう思ってしまった。
「…」
軽く傷ついたぞ?
「おまえもしゃべらなきゃな」
「どういう意味よ!」
せめてもの反撃だ。
「まんまだよ」
俺はがばっと起き上がった。
「もう」
頬を膨らませて、彼女は俺に、背を向ける。
彼女をぎゅっと、後ろから抱きしめた。
「っ…なんで?」
振り返る彼女と、視線が合う。
聞きなれた罵声を頭にめぐらせる。
こんなめんどくさい毎日を送るくらいなら、敵を作らずに、平々凡々の生活を送っていた方がいいなぁと、しみじみ思ったからだ。
はぁっと、彼女がおもむろにため息をつく。
「なんでだ?」
「なんでだ…」
しかめっ面を浮かべる彼女を、俺には理解できなかった。
あとがき
まぁそんなこんなで、ブルグリが重かったので、少し軽めにしたつもりです。っていうかこうこれには読者が見た瞬間に「おまえな」ってこうほんとに敵を読者に増やせたらいいなとか思った作品です。だって過去を悔やんでるというか、今めんどくさい状況をどうにかしたいだけだろおまえ!!それは自業自得っていうんだ!!!っとか突っ込みたい人がいてくれると私は嬉しいなぁとか思います。最後オチが「馬鹿」で終わってますけど、これ以上何もいえまいという意思の表れでもあるので「ここで終わりかよ!?」とか突っ込まないように。これもエロそうとかもつっこまないように(笑)
まぁでも姉さんも言っちゃうときはずけずけ言っちゃうし、負けじと兄さんも言い返すし。いいコンビだぁって話なのでした(え)兄さんなんかもろ過去が今の自分を作ってるんだろうなって思いますよね。あはは。
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