恋する乙女の花占い
 

 

恋する乙女なら、一度くらいやったことあるんじゃないのかなぁ。
やったことなくても、興味ある人、きっといるよね。

 

恋する乙女の花占い

 

「好き…嫌い。好き…嫌い…」
ポケモンをたまには休ませようと、広場に来た彼にくっついて、あたしは道端に咲いていた一輪の花を毟った。

花びらを1枚、また1枚と、ちぎっては風に靡いてどこかへ消える。

グリーンは、あたしが好きか、嫌いか。

そんなことしなくても、好きでいてくれてるのは分かるけど、言葉足らずな彼を持つと、どうしたって不安に感じるときもある。
そんなときに見つけてしまった、一輪の花。
申し訳ないが、犠牲になってもらってしまった。

でも結果は

「…好き…嫌い…好き…」
最後の一枚が残る。

これをちぎれば、結果は「嫌い」。
好きだと分かっていたって、「嫌い」という結果はいいもんじゃない。
占いは信じてしまう性質だ。
よくも悪くも、朝のニュースの最後にやる占いを見るのは、あたしの朝の日課になっている。
その日悪いことを回避するラッキーアイテムを身に着けるのは、何気に習慣になりつつある。
そんなあたしがやった、花占いの結果は、見事「嫌い」。
気分がよくはないのは確かである。

「…むぅ」
思わず花をぎっと睨みつけて、眉間にしわを寄せた。
すると

「…嫌い」
「あっ!?」
横から手が伸びてきて、最後の花びらをちぎり、風に靡かせる。
そして…

 

 

 

「…好きだ」

 

そう言って、花のがくをちぎる。
「…っ」
あたしは花を確認すると、再度ちぎった彼本人を、見上げた。
「…好きだ」
彼は優しく、あたしに微笑んでくれる。
「……もう…あたしが何で占ってたか、分かってるわけ?」
あたしは苦笑して、そっと彼の首に腕を回す。
「おまえの考えそうなことなんか、お見通しだ」
どれだけあたし単純なのよ。
「……どういう意味よぉ」
ぷぅっと軽く頬を膨らませる。
「そのまんまの意味だが?」
「馬鹿」
あたしはそっと彼にキスをする。
「…好きだ」
「あたしも…大好きよ」

そっと重なる唇が、
そっと吹く風が、
そっと匂う花の匂いが、
心地いい。

花占いの結果は、「好き」ってことに、しておいて。

 

2007年11月5日 Fin


あとがき

ただのバカッポーで、グリブルにはありえない感じですが、攻め気のある兄さんならこれくらいしてくれたっていいじゃないかぁ!!と馬鹿に思いついた話です。なんでしょうね。なんか、この阿呆と言いたさげなんだろうな、グリーン。でも、後で不安になっていろいろ言われるよりは、先に言っておいた方が身のためとか思ったのか。まぁこういう子供じみた花占いをしたがるのはきっと姉さんだと思うし、たとえイエローがやったとして、レッドがここまでの甲斐性があるとは思えないので?(ええ)あれ?あたしグリーンよりレッドに対する方がひどいかしら…。ここ最近グリーンには優しいですよ?たぶん(笑)ってか攻め気のあるグリーンは好きです。頑張れグリーン!もっと行け!!

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