渋沢さんドリーム「愛・情・勝・負」
 

 

愛・情・勝・負

 

「ねーお腹すかない?」
「そうだな。」
「じゃあなんか作ってよ、克朗。」
のんびりと時間が流れる日曜日。なんとなく2人でいるだけで幸せな時間。
「…が作ったやつの方がおいしいよ?」あ、笑顔でかわされた。なんかおもしろくないなー。
「私は克朗が作ったやつの方がおいしいと思うけど?」
私もにこりと笑ってみせた。
「私は克朗が作ったのが食べたいの」
きゅっと克朗の服の袖を掴む。…ちょっと恥ずかしいから目は見れないけどね。
「..俺はが作ったのが食べたい」
大きな手で腕を掴まれた。びっくりして顔をあげたら真っすぐ見つめられて。目がそらせない。うわーうわー心臓壊れそうっ!私は恥ずかしくて目を見れなかったのに、克朗ってば普通にできるんだもん!
「…〜〜っ!!」
多分顔真っ赤になってる。でも腕を掴まれてるから顔を隠せない。ドキドキしていると、克朗がいきなり笑い始めた。
「!?何で笑うの?」
「いや、すまない。があまりに可愛いから。つい..な」
ほらまた。あなたはどうしてそういう恥ずかしい事言えちゃうんですか。嬉しいけど心臓もたないよ!
「もー!笑うな!!」
「す、すまん。…あ。」
「?」
ぴたっと笑いが止まった。何か思い付いたみたい。
「じゃあの分は俺が作る。俺の分はが作る事にしよう」
「ちょ、ちょっと待ってよ。やだよ。私作らない!」
「へぇ。逃げるのか?」
ニッと笑った。絶対挑発されてる。でもそんな事されると黙っていられないのよね!
「いいわよ!受けてたつ!!おいしすぎて腰抜かしても知らないから。」
「いや、別に勝負というわけじゃ…」
「問答無用!絶対負けないから」
「…もう勝手にしてくれ」
というわけで料理勝負をすることに。
作る物はチャーハン。制限時間は1時間以内。克朗はいらないっていってたけど制限時間があった方が燃えるのよね。
「ねー克朗、エプロンこれでいい?」
「え…こ、これか?」
さしだしたエプロンにはかわいらしいウサギの絵。
「ごめんね、それしか無いんだ」
てか似合いすぎだぞ。あー駄目だ、笑っちゃう!!
「あはは!似合ってるよっ。かわいー!」
「…なんとでもいってくれ。ほら、始めるぞ」
「はーい」
珍しく克朗の顔が赤くなっていた。可愛いなぁ。ますます好きになっちゃうじゃん。
「…何笑ってるんだ?」
「べっつに。笑ってなんかないですー。あ、ほら焦げるよ!」
「ぅわっ!!」
もしかして珍しいんじゃない?克朗が失敗するなんて。なんか嬉しいな。こんな時間が幸せなんだよね。あ、なんか新婚さんみたい!?きゃーっ!!そんな事を考えてぼーっとしていると何やら焦げ臭い匂いが…。
!?」
「…え?熱っ!!」
克朗に呼ばれて我に返ったけど時既に遅し。私は火傷をしてしまった。
「あっつー。」
火傷した指を眺めていると、急に腕を引っ張られた。
「何してるんだ。早く冷やさないと駄目だろ!」
水道の水をいっぱい出した所に指を入れられた。
「へ、平気だって。これくらい。」
「平気じゃない」
キッと睨まれた。克朗を怒らせてしまったのだ。
「…ごめんなさい。怒んないで?」
涙が出てきた。止めようとしても止まらない。…情けないよ。その時目の前が真っ暗になって、私は克朗に抱き締められていた。
「心配するだろ。ハラハラさせないでくれよ、頼むから。」
「うん。ごめんね」
その言葉が優しくて、胸が苦しくなった。いつの間にか唇が重なって、温もりが伝わる。
「克朗、大好き」
「俺も大好きだよ」
大好きな気持ちは引き分けかな?

 

おまけ

「ねーなんかさっきよりこげくさくない?」「…あ!俺が作ったチャーハンも焦げてる!」
並べられた2つのフライパンには哀れ真っ黒になったチャーハンが。
「…で、どっちの勝ち?」
「俺のが焦げたのはが火傷したせいだから俺の勝ちだな」
「そんなのずるいっ!てかお昼ご飯は!?」
「…なし」
「やだぁー!」
こうして私達の勝負は終わったのでした。

 

END


香椎 夏姫様からいただいちゃいました、ドリームでございます。本当にどうもありがとうございましたー。まさか本当に書いてくださるとは思いませんでしたわ。あはは。だってねー、「じゃー渋沢さんでー」とか言ったら本当に書いてくださったんですもの。あははん。
しかもおもろい!!あはは。自分料理得意(得意か?)なんでねー。あはは。なんかいい感じ(おいおい)料理の話っていいっすよねー(食い気か)ってかおもろいんです!!うふふ。甘いし。うふふふふふふ(やばい)
本当にありがとうございました。またよろしくです(おいおい)

俊宇 光