好きだからなんて通用しないかもしれない
だけどどうしようもなく君が好きだ
もしこの想いを伝えたら君はどう思う?
どうしようもなく好きだから
ため息がゆっくりと漏れた。
控え室のざわめきに溶け込んだ。
「どうしたんすか、キャプテン?」
藤代が顔を覗き込む。
「いい加減キャプテンはよせ」
苦笑して藤代を遠ざける。
なんすか?! と喚いているけれど気にしない。
21にもなって幼い言動はどうかとも思うが、それが藤代なんだろうと諦める。
「もう始まるぞ」
監督の声がする。
目を軽く閉じてイメージする。
今日のグランドを。
オレの戦いの場所を。
お前は今日もこの試合を見てくれているんだろう? 。
『さて、今回でこのシーズンも終わりとなりますがどうでしょう?、解説の桐原さん』
『今日は渋沢のセーブが冴えてますねー
来シーズンからは彼は海外移籍をする予定ですから、ファンは大変でしょう』
『ああっと藤代選手がゴールしました!』
『今シーズン最後は渋沢率いる●●の勝利で終わりますー!』
実況が耳にしっかりと残っている。
しばらくオレの名前を実況される事は日本ではなくなるだろう。
オレは来週日本を発つ。
移籍して有名選手達と戦う。
オレの夢の1つだった。
チームメイト達と言葉を交わして、藤代に至っては泣いて抱きついてきて……
チームの温かさに少し胸が熱くなった。
スタッフから声がかかってインタビューへ行く。
1人になった廊下で少しだけ涙を零した。
「渋沢選手、今日もナイスでしたね!」
「ありがとうございます」
「日本での最後の試合でしたが、いかがだったでしょうか?」
「最高の気分です」
マイクをどんどんつきつけてくる報道者達に返事を返す。
一言一言考えて。
「移籍後はどうする予定で?!」
「ファンの方にメッセージをお願いします」
オレは1番近くにいた記者からマイクを受け取った。
「今回の試合は最高でした。
中学の頃からのチームメイトとも組めたこともいい思い出です。
そして、オレはこのチームが大好きです。
温かいチームだと思います。
優勝は逃したもののオレの日本での最後の試合を勝利で飾れたことは誇りです。
ファンの皆さんにも感謝しています。
沢山の応援ありがとうございました。
皆さんの応援があったからこそオレ達は今がんばれていると思います。
そして……この場を借りて1人の女性に伝えたい想いがあります」
一息ついて正面を見る。
記者達が凄く好奇の視線で見つめている。
ふっと笑みを漏らして話を続ける。
「愛する恋人、に。
オレ達はもうつきあって7年が経つな。
つらい時も、嬉しいときも必ずお前が傍にいてくれた。
どうしようもない時支えてくれたのはだった。
今回お前に移籍の相談をしなかったことは悪いと思っている。
怒っているのも当然だと思う。
……それでもオレはが好きだ」
目を一瞬伏せるとカメラのフラッシュが一杯かかってきた。
少し眩しいけれどここでやめる訳にはいかない。
オレはまた口を開いた。
本当に伝えたい言葉を言うために。
「新天地で大変なことは沢山あると思う。
やれないこともないと思う。
だけどやっぱりオレはに傍にいて欲しい。
どうかオレと一緒に来て欲しい。
ずっと、待たせていて悪かった。
――――――――結婚しよう。
オレと一緒に幸せになろう」
カメラに向かって笑いかける。
その先にきっと顔を赤くしたがいると思うから。
「好きだよ、。
どうしようもなく」
「私も…好きよ。
愛してる」
そう言いあって2人だけの結婚式を教会で挙げたのはたった数日後。
愛する恋人、、改め、愛する妻。
知っていたか? あの試合のインタビューの日は、オレとお前が出会った日。
初めて話した日。
……おめでとう、2人だけの記念日。
本当におめでとう。
おひさしぶりの愁です。
名前すら変わっておりますがお久しぶりです!
もしかしたら忘れられておられるかもしれませんがおひさしぶりです。
日記を拝見して5周年記念日なんだーお祝いしようと思って数日前から書き出してこんなのになっていました;
短いですね、ホントにすみません!
しかもちゃんあまり出てなくてすみません;
愛は込めてあります! うざいって位愛はこもっていますので…!
私がドリームを本気で好きになったのは光ちゃんのお陰なんです!
なので迷惑かもしれないと思いつつ贈らせていただいております。
返品可ですので…どうぞ、気持ちだけでも信じて下さい(笑)
ではでは。
渋沢「、お前が本気で好きだ。だから結婚して…そしてオレだけのでいて欲しかった。
傍にいてほしかった。こんなこと言ったらお前は笑うかな?
……とにもかくにも5周年おめでとう」
うわぁああどうもありがとうございました!!!もうもう、かなりの勢いでドリームを読む機会が減っていたので免疫なくてどきどきしてしまいました。そういえばドリームってこんなのでしたよねぇ。うわぁああ。どきどき。渋沢さん、公共の放送をなんてことにお使いに。あぁあもう、渋沢さんだからこそできる技だ。すげぇ。あんなんでプロポーズされたらテレビの前でふにゃふにゃに溶けてそうです。あぁもう好きだ。
本当にどうもありがとうございました!!!
俊宇 光
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