合格ライン
ずっと、不安だった。
だって
私から見れば、なんでもこなす
あなただから。
「。」
いつものように優しい声で、包んでくれるような声で、私に話しかけてくれるね。
あなたの声は不安を打ち消してしまう。
だから私は嬉しくなってしまうの。
私を呼ぶあなたの声に。
そして私はいつものように答える。
「克朗。」と
「どうしたんだ?元気ないな。」
「別になんでもないよ?
いつもどおり。」
「そうは、見えないけど?」
ほんの少しクロいあなたは
ほんの少し怖い。
だけど今日は(も)、負けるわけには、いかない。
「いつもどおりって言ったでしょ。大丈夫。」
「じゃあ、いつも元気ないな。」
う゛・・・。
ま、負けないもん!!
「いつも元気だよっ♪」
「…。じゃあ元気がないのは、俺の前でだけ。ってことか。」
ドキィ!
「…そんないことないよ〜!
克朗の前でも私元気だよ〜。
克朗はそんなに私のことが信じられない??」
「もちろん。」
…即答しやがった…。
つよいぞ。
「信じてよ〜♪」
「無理だな。」
ふわ。っとね
一瞬後、私はあなたの腕の中に。
あ。
今まで話すの忘れてたけど、告白したのは私。
ありがとうと言ってくれたのは克朗。
今まで、手をつないで帰ったのは数回。
克朗のこと想っている子達によびだされたこと数十回。(克朗は知らない。はず。)
よ、う、す、る、に
抱きしめられたことなんてない=めちゃめちゃきんちょう。
ついでに付け加えるとすれば、多分克朗は私が緊張してるの知っててやってる。
クロい人。
「ちょ、ちょっと、は、なして!」
「気づかないと、思っていたか?」
「え?」
「ずっと待ってた。が言ってくれるのを、待っていた。」
まさか…?
「今日のを入れて44回目だ。」
「何が?」
「呼び出された回数。」
さすが克朗…。
やっぱり克朗。
「さっきいったよな?。信じられない?って。」
「…。」
「。」
「……いいました。」
それが、克朗の思惑だって、気づかなくて、
知らない間に誘導されていく。
克朗は私を離して更に、あおる。
「じゃあ俺も聞く。
は俺のこと、信じられないか?
。俺は頼りないか?」
克朗の誘導に従って
それで、ずっと隠してきた本音を…。
ついに、
ついに口に…だしちゃった…んだ。
「頼りなくなんてないよ!!」
「じゃあどうしてだよ!」
「心配かけたくないもの!!」
「ずっと黙ってられる方が、
元気ないを見てるほうが心配だ!」
「元気ないかは知らないけど!
元気ないのはそのせいじゃないもん!」
「じゃあ何なんだよ!」
「克朗のせいだよ!」
「…え?」
「克朗なんでも出来るじゃない!
何でも努力してこなすじゃない!
皆まとめるのも得意だし!
皆だってまとまるじゃない!」
「。」
「じゃあそんな克朗のいちを彼女の私は??
ねぇ!私には何があるの?!
顔は中程度だし!
何のとりえもない!
昨日だって今日だって言われた。
あんたなんか渋沢君に似合わない!って!
つりあわないって!言われたわよ!」
あまりに一気に話しすぎたため、はーはーと肩で息をした。
そんな私は克朗に再び抱きしめられてしまう。
「嫌!話してよ!やだ!」
「ありがとう。。
君の本音が聞けて嬉しいよ。」
そこまで聞いて、やっと克朗に誘導されていたことに気づく私。
「今度、サッカーの練習、見に来てくれ。」
「え?」
ふつうなら、いつもみてるじゃん。
というところだけど、私は克朗に
練習を見に来てはいけないということと、
待ってないでさっさと帰ることを言われていた。
克朗が、
克朗の大好きなサッカーを楽しそうにやっている。
そんな姿に私は心奪われたのに。
片思いしてるときの方が練習見れたのに。と思ったけど、
私は言うとおりにした。
やくそくをやぶって
きらわれてしまうことが、
こわかった。
だけど初めてOKしてくれた。
すごいうれしぃ。
その日の帰り、私は克朗と一緒に練習場所に行く。
そこには
志保ちゃん(笠井君の彼女。)と
由岐ちゃん(三上君の彼女。)と
真樹ちゃん(藤代君の彼女。)もいた。
「やっとつれてきたんだな〜。」
「本当はまだ嫌なんだけどな。」
そう交わす二人は三上君と克朗。
「俺らだって嫌なんですよ!
でも、志保が見たいって言うし。
目を離すと何されるかわからないし。」
「まぁなあ」
そう交わす二人は笠井君と克朗。
そんな会話を意味不明で見つめる私に克朗は声をかけてくれる。
「部員全員あつめるから、ちょっと待ってくれ。」
「へ?」
数分後、部員が集まった。
そして何故か私は穴があくほど見つめられる。
「俺の彼女のさんだ。」
「えええええええええええええええええええええええええ?」
克朗から言わせると、私を含めた4人(志保ちゃん。由岐ちゃん。真樹ちゃん。と、私)はサッカー部の中で他の女子とは少し違う目で見られていたらしい。
そんでサッカー部につれてくると、とられるのでは。とか、手を出されるのではなどという不安があったらしく、つれてこれなかったらしい。
「そんなのいいのに。私が好きなのは克朗だけだよ。」
そう言うと克朗は照れていた。
そして最高の笑顔で私に告げてくれる。
「は、自信からしたら、そんなたいしたことないのかもしれないけど、
俺から見たら、まさに光り輝いてるように見えるし、
他のどんな子よりも、かわいぃから。うん。」
その言葉と笑顔で顔を真っ赤に下のは誰でしょう?
それはもちろん。
私です。
そんな私は思ったんだよ。
克朗がそう思ってくれるのなら、
私は私でいようって。
そう、おもったんだよ。
胡事 把枝様にいただきました。
タイトルに少々困った作品です。話にテーマ制がなかったみたいで、どこからイメージをとってタイトルをつけたらいいのか悩みました。人の作品に勝手にタイトルを付けるなって話ですけどね。他の作品はサブタイがあったので、そのまんまつけちゃいました(笑)ごめんね。あはは。まぁ今回こうやって「合格ライン」という名をつけたのは、人から周りから見て、渋沢さんというか、その人につりあう女の子のラインてなんなのかな〜って意味を込めてね。で、その人につりあう合格ラインをタイトルにしました。合格ラインって打って変換すると「豪華クライン」になります(汗)SEEDをいかに打っていたかですね。むんむん。まぁとりあえずそんな話ですが、その人の合格ラインって難しいしはかりかねますよね。周りが認めたって自分が認めなければ意味ないし、自分が認めたって周りが認めなきゃ意味がない。何よりも相手が認めてくれなくては意味がない。彼の合格ラインは頭が良くて、可愛くて、スポーツ万能で、人から見てカリスマ的存在な人なんだろうか。でもそれって可愛いをかっこいいに変えれば彼そのものなんじゃないかな(汗)つまり女版渋沢さんみたいなのが合格ライン?そんなのっておもしろくなくない?むしろ運動出来ない、可愛くない、スポーツ駄目の強調性のない女の子みたいな正反対の方が有る意味似合ってるっていう称号を得ることができるんじゃないだろうかって気にもなってくる。どうなんでしょうね。
まぁとりあえず、彼自身が「君でいいんだ」って言われてしまえばおしまいなんですが、女はそうはいかないんですよね。つりあうために無理矢理努力したりね。つらくても我慢したり。難しくできてます。そんな話を次回書こうかな〜なんて思いました。
ありがとうございました。
俊宇 光
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