記念日
「渋沢さん!」
はそう言って渋沢克朗を呼び止める。
「!。」
「ゎ。」
一瞬後、は渋沢さんの腕の中。
「し、渋沢さん?」
「久しぶりに会えて嬉しい。」
え
思っててくれたの?
あなたも?
私に会いたいって。
そして思ってくれるの?
私にあえて嬉しいって。
「本当に?」
照れながらも、ちょっと不安。
「ああ。」
本当かな?
渋沢さんなら…私を傷つけないためにそう言ってくれるし…
「本当の本当?」
「本当だよ。」
嬉しさが心を満たしても、心は素直じゃなくて
「ふ〜ん。」
という返事を返してしまう。
実は二人があったのは久しぶり。
最近忙しくてスケジュールがなかなか合わない。。。
会えなくて…寂しかったよ。
「で、どうしたんだ?珍しいじゃないか。から呼び止めてくれるなんて。」
そうそう。忘れるところだった。
「明後日、あけといて欲しいの。」
「明後日?」
「うん。」
「わかった。」
「じゃあ明後日、渋沢さんの家に行ってもいい?」
「あー。あ。そうだ。その日は練習があったんだ。」
「え…じゃあ…ダメ?」
「いや。その日は練習があるけど、多分早く帰れると思うから、合鍵使って入っていてくれ。」
「うんっ待ってる!ぁ。時間だ。ばいばい!」
「あー」
ふ〜ドキドキした。
明後日…それはとても大切な日。
9月22日
二人が付き合いだした日。
忘れない。
でも渋沢さんはそういうのに鈍いから、多分覚えてない。
だから、あけてもらって…
だけど練習があるだろうから、合鍵を使って中に入って、
腕によりをかけて御飯を作って、
二人で食べる。
普段は渋沢さんのほうが料理するから…たまには私が…
作らないけど、作るとおいしいほうだと思うし。
うん。
終る時間は大体7時位だって言ってから
は5:30に渋沢の自宅(マンションに一人暮らし)
に行った。
そして扉を開けてまず部屋を更に綺麗にする。
(もともと綺麗だけど、もっと頑張るのです。)
そして夕食の支度を始める。
7:00
夕食が完成する。
あとは渋沢が帰ってくるのを、待つだけだった。
今日の練習はココまで。
そういわれたとき時刻は7時だった。
特にやることもないので家に帰ろうか。というとき…
「渋沢!」
「ぁ?椎名?!」
「今日、ちょっといいか?」
そういわれて渋沢は椎名と一緒にレストランに入る。
(注文したのは飲み物だけ)
そしていろいろと話をしているうちに彼女の話になった。
「さんは?元気?」
「あー。元気だよ。」
「ふ〜ん。そういえば、うちの夏姫に、9月15日、早く帰ってきてくれって言われたんだ。」
「それで?」
「俺はわかったから早く帰った。そしたら…」
「そしたら?」
「教えない。」
「ただ、言っていたんだ。
俺の夏姫、渋沢んところのさんと仲がいいから…
今日…用があるってね。
目を輝かせながら言ってたらしいよ。」
「?……………ぁ゛」
そして渋沢の脳裏に浮かぶ言葉
「明後日、あけといて欲しいの。」
「明後日?」
「うん。」
「わかった。」
「じゃあ明後日、渋沢さんの家に行ってもいい?」
「あー。あ。そうだ。その日は練習があったんだ。」
「え…じゃあ…ダメ?」
「いや。その日は練習があるけど、多分早く帰れると思うから、合鍵使って入っていてくれ。」
「うんっ待ってる!ぁ。時間だ。ばいばい!」
「あー」
「椎名!お前…」
「さんと同じように俺も見てみたかったんだよ。
冷静沈着な渋沢があわてる姿。
だけど俺もちゃんとフォローはするよ。」
「フォロー?」
「外でタクシーが待ってる。行き先と料金は払い済み。
ここの金も俺が出す。
さー渋沢。俺をとっちめるのが先か?それとも」
「もちろんのトコロに行くのが先だ!」
こうして渋沢は遅れながらも家へ向かう。
息を切らせて走る。
エレベーターを待っている余裕がなく、非常階段を使う。
もちろん俺の部屋には明かりが着いていた。
バンッ
「!」
「ぁ。渋沢さん。お帰りなさい。」
「へ」
「やっぱり練習伸びたんだね。
もう9時。でも座って。暖めるから。御飯」
渋沢はあっけに取られながらも、御飯を食べる。
はあまり料理をしないが、作るとやっぱりおいしい。
めったに作ってくれないから、渋沢は幸せだった。
そして、ふと手帳に目をやる。
あ。
そして今思い出す。
今日は付き合い始めた日。
だから…か。
「ちょっと待っててくれ。。」
「え」
「ちょっとだけ、買い物してくる。」
そう言って夜遅くまであいているデパートで何かを買ってこようと思ったときだった。
後ろに何かがぶつかる。
「ゃだ…。」
「え」
「言っちゃ…やだよ。」
そう言っては渋沢に回した手をより強くした。
そしてやっぱり遅れて気づく渋沢。
は俺が約束を忘れていたことを知っている。
それで、笑って許してくれた。何事もなかった用に。
でもやっぱり傷ついていて…
寂しかった…んだろう。
渋沢はすとん。と床に座る。
もちろんも座らされる。
渋沢はの手を一度離して、左手で後ろからを抱きしめる。
右手での長い髪の毛をすいて、
そして、愛するの肩に顔を乗せる。
「ごめん。」
約束を忘れていてごめん。
今日のこと、思い出せなくてごめん。
ごめん。。
「どうしたの?」
そうやって心を押し殺して言ってみる。
多分顔を上げないと、恥ずかしくて顔真っ赤なのは見られない。
寂しかったけど、、
抱きしめられたりすると、
恥ずかしくて…顔真っ赤になるよ。。私。
渋沢は
寂しかった。
不安だった。
つらかった。
なきたくなった
そういう心を隠してそう言ってくれるに何も言えず、
首を横に振る。
渋沢はしばらくしてからを開放する。
「本当は、が俺の呼び方変えてくれてから渡そうと思っていたんだけど。」
そう言って、小さな箱を彼女に手渡す。
はクエスチョンマークを頭につけてそれをあける。
「こ…れ…」
「結婚してくれ。」
俺はそう言って、彼女の返事を聞かないで左手の薬指に指輪をはめる。
「…ありがとう。ございます」
いつもなら声が小さいと言い直させるが、今日は俺が悪いから
渋沢克朗はもう一度彼女を後ろから抱きしめて、肩に顔をのせた。
数日後。
「か〜つろ〜ぅさん。」
「?どうした?」
「お願いがあるの!」
「え?」
「キスして?」
「うぇ?」
うわっ。はじめてみた。克朗さんでも真っ赤になるんだ〜えへへ〜v
…え。
には見えてしまった。
平常心を取り戻した克朗の背後が黒いことを。
「か、つろ…!ん」
はちぅされてしまった。
「これでいいか?え?足りない?
は全く…(^^)」
え゛ちょっとまって。言ってない。言ってないよ?
にっこり(ニヤリ)
「…んんっ」
ちぅされる。
「え?まだ足りな…」
「足りなくない!大丈夫!大丈夫だよ!!」
「え」
不満そうな目で…見ないで。
「は俺の事が嫌いなのか?」
「い、いいえ!大好きです!」
「〜。」
「だ、だから克朗さん。恥ずかしいってば!」
まあこういう押し問答が続いて…。
結局キスは一日何回したのだろう?みたいな状態。。。
克朗さんからすれば、あの時↑のお詫びだろうと思うけど…
ま、いっか。
大好きだからv
胡事 把枝様にいただきました。
まいっか!ってことでしたか、本当にいいのかよ!!!!っとか突っ込んでみたくなったのは内緒なはなし。
もろキャラチャ引用だからもうおかしくっておかしくってこれをそこに使うか〜って感じでしたね。あははは。うけるうける。しかし今回の一番好きなとこは翼さんっすかね〜。素敵だ〜。可愛い〜(え?)かっこいい!!うふふふ。素敵よ翼さん。思わず株が上昇しそうなそんな勢い(笑)素敵。
タイトル勝手に決めてすいません。なんとなくどれもしっくりこず、テーマだったつきあい始めてってことで記念日で。しかし9月22日にしたのは意味があるんですか?
そういやまたも途中渋沢さんは黒で笑い。この赤面姿もキャラチャ引用ですが(いや妄想キャラチャと言うべきだった)もしそうなったら笑うな〜。マンガで考えたのは内緒な話だ。あははは。
本当にどうもありがとうございました。
俊宇 光
|