私だけを見て…
「ふぅ〜。」
「朝からため息ついてどうしたんだ?」
「え」
特になんという事もなく出したため息にコメントが帰ってくることに驚く。
少女の名は。
話しかけたのは…
「渋沢さん?」
「同い年なんだから“さん”はいらないって言ってるだろう?」
同い年の渋沢克朗。
サッカーでGKやってる。
「しょうがないじゃない。なれてるんだから。」
本当は恥ずかしくて“さん”がとれないんだけどね。
そう静かに心の中でつけたす。
「まぁ、いいけどな。」
「でしょ?よしとしよう。流して流して。」
流してもらわなきゃ困るんだよね。
「で、どうしたんだ?」
いきなり聞かれてびっくりするが、多分さっきのため息だろう。。
「なんでもないよ?なんかため息が出ちゃっただけ。」
本当にそれだけ。今回は本当になんでもない。
「なら、いいんだけどな。」
そう言って少々苦笑する。
でも、私はあなたの方が心配よ?
「それより渋沢さんは?」
「え?!」
表情はあまり変わらないけど、驚いたのはわかったわ。
驚くような質問…だしね。
「毎日毎日。いろんな人まとめてて疲れない?」
キャプテン。だし?
「んー。」
やっぱり苦笑しながら答える渋沢さん。
私と話してると楽しくないですか??
「疲れるとか、疲れないとかっていうなら、疲れるけど、
なんか毎日やっていると、当たり前で。。特に何も感じないな。」
うそばっかり。
確かに見えないけどね。
でもきっと渋沢さんは彼女の前だったら、ちょっとは弱音言うのかな…?
この前きれいな人と歩いているの見たし。
「彼女のトコロに行って癒してもらえば?」
ほとんど無意識で出た言葉だった。
この前みかけた。渋沢さんときれいな女の人が歩いていたの。。
その女の人に、嫉妬してたのかも、、しれないな。
「は?」
驚いた顔の渋沢さん。
そうだよね。
クラスメイトだもんね。
話す必要ないもんね。
関係、ないもんね。
「あ。ごめん。なんでもない。気にしないで?」
話を逸らそうとそのコトバを言うけど、、
「なんでもなくないだろう?」
…
なんですぐわかるかな。。
「なんでも」
「なくないだろう」
かぶさって言う渋沢さん。。
言いたくないのに〜。
「だから、渋沢さんこの前、きれいな人と歩いていたでしょ?」
「え」
考えるしぐさをして考え始める渋沢さん。
「その人の髪の毛の長さは?」
「ショート。」
はっきりくっきり覚えてるわよ。
「近くにバイクとかなかったか?」
「バイク押してた」
嫌なくらい鮮明に覚えてる。
胸が、痛い。
「あのさ」
「何?」
「その人多分、飛葉の監督で、東京選抜の選考も、してる
西園寺玲さんだと思うんだが。」
…
…
「はい?」
よ〜くよく聞くと、飛葉の試合を見に行った時に、少〜しだけ話しをして
この間、たまたま会ったそうだ。
そして少し、また話をしたらしい。。
なんか少しばっかり。。と思いながらも、彼女じゃないことにホッとする。
「な〜んだ。」
自然にこぼれる笑み。
やっぱり好きだなと実感。
「?」
あたりまえだけど、わけがわからない顔する渋沢さん。
とりあえず、突っ込まれると痛いので、話を戻す事にしよう。うん。
「話を戻すと〜、ようするに渋沢くんには癒される場所がないんだ。」
そういうことだよね?彼女居ないんだもん。
「?あるんだが」
「え」
てことは〜
「てことは〜、好きな人、いるんだ?」
「あー。」
どーんって上からなにか降ってきて当たった感じする。
確か頭をぶんなぐられた感じっていうんだっけ?(コトバ悪)
「そっか〜。」
なにげなく言うけど、
心の中は、真っ暗。
失恋…。
優しいのかな?
どれくらいの身長かな?
やせてるのかな?
かわいいのかな?
きれいなのかな?
どんな出会いなんだろう?
…。
失恋しても、、なんでこんなに聞きたいんだろう?
あ〜〜〜〜もう我慢できない(早)
「渋沢くんから告白しないの?」
「んー。しない。だろうな。」
「え?なんで?」
「(苦笑)なんでそんなに聞きたがるんだ?」
「別に、いいじゃん。」
やば。顔ちょっと赤い。。
「いないのか?」
「え」
「好きな奴。」
急に聞かれてびっくりした。
私?私だよね。私しかいないし。。
「いた。よ?」
「いた?」
「うん。失恋した。かな。」
だってあなただし?
「へー。じゃあフリーなんだ。」
渋沢さん好きな人、いるんだし。私のコトなんてどうでもいいでしょ?
「フリーだよ?」
と、思いつつも答えて見たり(笑)
「そうか。きっと新しい恋がまってるよ。」
そう励ましてくれるあなたの優しさは罪だよ。
でも、思い出しちゃった。
私のモットー。
ふられるってわかっていても、告白しないと終れない。
だから私を
ふってください。
涙は見せたくないから、渋沢さんに背を向けて、
大きく深呼吸。
おおきく脈打つ心臓を、押さえながら、
「渋沢さんだよ?私の好きな人。
ずっとずっと、大好きでした。」
ふることも、優しさのひとつって、
本当だなって実感。
視界がぼやける〜。
「え」
ひどく驚いた声を出した渋沢さん。
びっくりしたよねぇ。
これから私を待っているのは拒絶のコトバ。
わかっていても、聞きたくない。
考えるだけで涙が出てくる。
「そ、うなのか?」
「そうだよ〜。」
涙を拭いてそういう。
声も震えないように努力してる。
「で、でも」
あ。珍しくかんだ。
「さっきいたって。」
「だから〜渋沢さん、好きな人いるんでしょう?
だったら失恋じゃない。
あんまり突っ込まないでくれますか?つらいので。」
「だって信じられなくて。」
「そうだよね。ただのクラスメイトだもんね。」
「そういうことじゃ、ないんだけど、、」
「え。どういう…」
振り向いちゃった。
見ちゃった。見ちゃったよ。
「顔、赤いよ?」
初めてだ。顔赤い渋沢さん。
そう言うと渋沢さんは、すっごい渋っていたけど、
口を開いて、言ってくれた
「…。オレも、だったから。」
「え」
「オレも、好きだったから。」
「…はい?」
私もびっくり。
ビックリしすぎると涙とまるって本当だったんだね。
止まっちゃったよ。
い、いや。別に止まって欲しく無かったってわけじゃないんだけど。
「オレも、好きだよ。。」
…。お湯沸かせる。私今。
「うそだぁ〜。」
「本当だよ。だから、オレが癒される時は、今。」
「…私、と、いるとき?」
「あー。今日の疲れが一気に取れる。」
「ほ、んとう?」
「本当だよ。」
「…ありがとう。ございます。」
「いや。俺こそ、ありがとう。」
こうしてうまく行くはずの無かった告白はうまく言っちゃった。
「ねぇ、もし私が告白しなかったらどうしてたの?」
「ん〜。三上とかに頼んで、100%間違いない事がわかってから、告白した。かな。」
「ふ〜ん。」
「?」
「ねぇ、せっかく彼氏彼女になったんだから、デートしよ?」
「…。いいよ?」
「いついく?」
「ん〜。」
「あ。たまには部活、自主練にしてよ?そして一緒に行こう?どっかに。」
「え」
「デート。したくないならいいんだけど?」
さぁかかるかな?
「わかったよ。自主練にしてもらう。」
「かかった。」
「は?」
「やっぱり押しに弱いね。うん。」
「?…!〜〜っ!」
「きゃ〜。」
やっぱり渋沢さんは。
こうでないと、ね?
あとがき。。
ごめんなさい。
許可なしに多くの方のお名前をお借りしちゃいました。。
私なんかの駄文ですから読んでいる方は少ないと思うのですが、
どっちにしろ申し訳ありませんでした(土下座)
もう。怒り、中傷、エトセトラ、なんでも受け付けます。
本当にごめんなさい!!
以後気を付けます。。。。。。。。。
もちろん言っていただければちゃんとなおしますので!
お願いいたします!
本当に申し訳ありませんでした!!
というわけで、今回は登場人物2人&名前だけ×2人でした。。。
ごめんなさい(土下座!!)
胡事 把枝様にいただきました。
今回は白渋沢さんってわけで、じつに楽しく読ませていただきました(笑)なんとか黒が見え隠れしてそうでしたけどね。なかなか楽しかったです。うふふふ。とりあえず思ったのは、気づけば、玲さんと絵になるな〜っと思ってみたりね(笑)あとはそうだな〜なんかいろいろね。これは最初見たとき微妙な間違いを発見してメールしてみたりしました。ちゃんと分かるようになおしてくださって感謝してます。ちゃんと直って帰ってきたのがびっくりです!?わぁおう。
あと前回突っ込んだ内容が謝られておりますが、みなさんまぁ、そんなわけで。
タイトルはまた私が考えましたが、かなり悩みました。とりあえずなんかこう、玲さんと一緒にいたのに妬いたわけだからね。で、できればそういった他の女の人じゃなくて、私自身を見て欲しいんだ!!みたいな意味を込めてね。決めさせていただきました。まぁ勝手ですいません。
本当にどうもありがとうございました。
俊宇 光
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