渋沢さんドリーム「メール 後編」
 

 

メール 後編

 

 

後悔していない?って聞かれたら、後悔していますとしか答えないくらい。
は後悔にまみれていた。
あの後、つらくなるから渋沢くんの試合は見なかったし、
今どうしてるかなんて、知らない。

そんなときだった。

携帯の着信がなる。
アドレスは誰にも教えて無いから、くるとしたら電話。

 

「笠井くんだ。」
『もしもし?』
先輩!?』
『そ〜だけど?』
声が妙にあせってる。
『あの!渋沢先輩と何か会ったんですか?』
『…なんで?』
『会ったんですか?教えてください!』
声が、あせってる。。
別に秘密にしているわけじゃないし、いいよね。
『別れた…よ。』
今さらだけど、別れたくなんて、なかった。
でも私が一方的に言って、それでもうさよなら。みたいな事しちゃったから、
もう修正きかないよね。。。
『別れたそうです!』
ん?
誰かいるのか?!
『やいこら!』
『み、三上?!』
そう。笠井くんと変わって電話に出たのは三上亮だった。

 

な、なんで〜〜?!

 

『な、なんで三上が?!』
『そんなことはどうでもいいんだよ!どうしてくれる!お前!』
『はぁ?!』
一体私が何をした?!

 

『お前のせいで、渋沢が抜け殻になっちまったんだよ!』

え?
抜け殻?

『あいつは才能もあるし、これからもっとずっとやっていける。
 世界を倒す時も、あいつがいなきゃ倒せない!
 それがお前の所為で、次の試合、まともな試合が出来なかったら、
 解雇が決定するんだぞ!』

 

 

解雇?
渋沢くんが?
解雇??

『次の試合は三日後!あいつのホームでやるからな!
 特等席用意して置いたから、必ず来い!いいな?!』

そう言うと、三上は電話を切った。
「…。きっと、嘘よ。」
はパソコンを立ち上げてチームのサイトをみた。
試合結果。
ボロ負けだ…、
別れようって行った次の日から、渋沢くんはひとつも守れていなかった。
3日目からは他の人がGKをやって、、、

…。
「あ。」
私はパソコンのメールを見ることにした。
もしかしたら、渋沢くんからのメールがあるかもしれない。
ううん。
会って欲しいって願いを込めて、ドキドキしながら、すごく怖かったけど、
見たんだ。

 

…うそ…。

新着メールが31件。。。
別れを言った日から、渋沢くんから毎日メールが来ていた。
1日目…すまない。オレが君に何をしたのかよくわかっていないんだ。
      確かに、彼氏、失格だな。
2日目…すまない。昨日も今日も試合に集中出来なくて、監督に怒られたよ。
      明日から、レギュラーじゃなくなるんだ。でも、当然のむくいだよな。
15日目‥すまない。君と別れてから、オレはオレじゃなくなった。
      サッカーも、もう出来ないよ。
20日目‥すまない。別れるって言われてから、もう20日もたった。
      生きてる意味が、そろそろなくなってきたな。今考えると、
      オレの人生、すべてが君だった。
31日目‥もう、オレはサッカーが出来なくなるみたいだ。でも、もういいんだ。
      サッカーをやめたら、君にまた好いてもらえるかも知れないし、
      君との約束にも遅刻しないで行ける。
      オレは永遠に君が好きだよ。愛している。だから、オレとまた付き合って欲しい。
      無理な願いだとわかっているけれど、これがオレの人生最大の願いなんだ。

「…。あれ?」
視界がぼやけて前がよく見えない。。
「し、、ぶさわ…くん。。」
つまらない事で怒って、あなたを傷つけて、しまったんだね。
ごめんなさぃ。ごめんなさい。
「ごめんなさ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

あと少しで試合が始まると言う時、渋沢克朗は、あるものを見つめていた。

あと少しで試合が始まる。
この試合さえ終れば、オレはサッカー選手じゃなくなる。
試合が終ったら、、
試合が終ったら、オレはコレを、人生をかけて愛していくと決めた君に、に、渡したい。
君が、好きだから。

もし、受け取ってもらえなかったら、
あきらめよう。

 

あと10分で、試合が始まる。
そんな時、携帯が鳴った。
「オレのか…?」
鳴った携帯はオレので、来たのは電話じゃなくてメールだった。

アドレス変更しました。
登録お願いします。
_forever_l_k.s@~~

 

ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
あなたが、大好きです。
誰よりも愛してます。

三上にもらった席で、見てます。
サッカーしている姿、一番、大好きです。
やめないで、ください。
頑張って、ください。

 

 

…」

オレは試合のため、グラウンドに出る。
そしてそこで、三上に、見に行きたいから、特等席を用意しろと脅迫されて
無理を言ってとった場所を見る。

 

…。」
はそこにいた。
泣きながら、そこにいた。

愛すべき人が、そこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

とりあえずオレはこの試合に勝つ事が出来た。
そして監督に、今からやる事に、許可をもらいに行った。
「…お前の不調の原因は、彼女か。」
「はい。」
「あいつを幸せに出来るのか?お前に。」
「はい!」
「…わかった。あいつを、頼む。」

ありえない話だけど、の父が、監督。まぁ、ありえない話だけど。
監督は今の今まで二人がつき会っていることは知らなかった。
だから、許可を取った。

 

!」
オレはがいたところに来た。
「し、ぶさわ、、くん?」
だ。
だ。
がいる。。

。」
「きゃっ」
を強く抱きしめる。
もう二度と、離したくないから。
「ちょっ皆見てるよ?」
「いいんだ。」
「いいわけできないよ?」
「いいんだ。」
「ヒーローインタビュー、終ってないよ?」
「いいんだ。」
「報道の人、こっちくるよ?」
「いいんだ。」
「しゃ、写真撮ってるよ。」
「いいんだ。」
「質問攻めにあうよ?」
「いいんだ。」
「ちょ!渋沢く…!」
を一瞬離して、唇を重ねる。
フラッシュが気になる(焦)
少し長いキスをして、の左手に、
指輪をはめる。

「オレと、結婚してくれ。」

空耳??
「し…ぶさわ‥くん?」

「君を幸せにする。誰よりも幸せにする。
 君のこれからの人生を、、オレにください。」
「…。」
は号泣している。何も言ってくれない…。
そんなを再度抱きしめる。
俺の腕の中に、はすっぽりと、納まっている。

は、オレの腕の中で、一言、ポツリと言ってくれた。
「ありがとうございます」と。

 

そして後はひたすら、オレに謝っていた。
ごめんなさい。と。
もういいよ。と言っても。
やめなかった。

 

だからオレは、ただ抱きしめた。
ただ、抱きしめたんだ。

もちろん、周りで見てる報道陣、ファンを完璧に無視して。

 

俺は君とずっといたいって思ってた。
それはもうずっと前から思っていた。
だけど最近は、君の優しさに、あまえすぎていたんだ。
君から別れを告げられて、君の大切さが、再認識できた。

何よりも、何よりも君が大切だ。
サッカーも、君がいるから、頑張れる。
君に、格好いい姿を見せたいから。

君の残りの人生。必ず幸せにする。
自信があるんだ。


「…。」

はやっと顔をあげてくれた。
を、愛してる。」
うん!私も。愛してる。」

 


胡事把枝様に頂きました!!もうこれで20作目ですね。すごいな(汗)なんだか私の絶頂期を思い出しますよ(笑)これからもばしばし描いていってくださいです!!!
さてはて、結婚物がお好きなようで、何作目かになる結婚物でございます。未来物と称すには、ちと難しいそんな年。あはは。まぁ今2004年で考えると渋沢さんは21歳になりますからね。すごいな。これは19歳ですが、原作じゃ15歳なわけだし。未来ととるか、過去ととるか、現在ととるか謎な感じ(汗)まぁそんなお話でございました。
今回は笠井くんや三上んの登場にうはうはしたのは私です(笑)三上んや笠井くんは何をしていたんでしょうね?そして私と同じく藤代は全然出張ってこないのが笑います(笑)あの人使えないんだな。あははは。
まぁあいかわらず「これはねーだろ〜」と突っ込みどころ満載なのが毎回の笑いどころですね(笑)毎回笑わせてくれてありがとうございました。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。本当にどうもありがとうございました。

俊宇 光