渋沢さんドリーム「見上げれば」
 

 

見上げれば

 

さんが、転校する事になった。」
ええ?!
そのざわめきはクラスを包んだ。少しは必要とされていたのかな?そう思うと、嬉しくなる。
皆と離れるのは、、悲しいけれど。
「じゃあ。」
「はい。」

私は前に出るように言われ、教壇の前で、皆に向かって言った。

「今言ってもらった通り、私は親の転勤のため、転校することになりました。住所などは行ってみないとわからないので、あとで、先生宛に送ります。今まで、ありがとうございました。」

ぺこりとお礼。目を開けるとビックリするような光景が…。
「さ、沙織ちゃん…」
「「え」」
クラスの子がほとんど沙織ちゃんの方を向く。先に事情を話しておいた幼馴染の沙織ちゃんが、泣いてくれてた。もちろん、最初に話た時も、泣いてた。多分、私が言わなかったある点について、彼女はわかってるから、泣いている。

〜。」
沙織ちゃんは、私に抱き着いてくれた。
う〜。。泣けてくるから〜っもぅ〜〜。
「沙織ちゃん…っ」
私達が泣いているのを皆は見てたみたい。だけど泣いてるのは沙織ちゃんだけ。
その事に、沙織ちゃんは少々ご立腹みたい。
が言わないから皆〜っっ。」
「「?」」
「そういえば、さんは、いつ転校するんだ?」
素朴な疑問を、クラスメートでサッカー部の渋沢くんは言う。

渋沢くんにも、もう逢えないんだと思うと、すごく悲しくなる。

すぐ戻ってこれる。電車と車で。
そうだったらいいのに。
そしたらあなたがサッカーの合宿の時、見にいけるかもしれないのに。

どうして…そうじゃないんだろう。
どうして…さよならなんだろう。。

「…」
答えられない。私。
「もう言っても、いいと思うんだが。」
そう先生が言う。
なんてココロ優しい先生…。
私は沙織ちゃんをぎゅって抱きしめながら、うなづいた。
泣かせて…。

は、今日を最後に、もう学校には来ない。ムコウに出発するのは、明後日だ。」
皆、絶句してる。ごめんね。黙ってて。言えなかった。
悲しくなるから。
「えっ…。いつ?いつ戻ってこれるの?ねぇ。」
ごめんね。。無理なの。。もう…

「…が行く転校先は、、スペインだ。」
「ぇ」
さらに絶句するだろう皆。
「だから、いつ帰ってこれるのかは、、わからないんだ。」

〜〜っ」
「沙織ちゃん…っ」

 

言っちゃったら、悲しくなるの。
逆らいたくても、私はまだ未青年だから…反抗することも、できない。。

私は最後に涙声で、頑張って言葉を発する。
「ホントに…ありがとうございました。」
そして、もしかしたらずっと逢えないかもしれないクラスメートに、深々とアタマを下げる。

ありがとう。。

 

 

 

最後の帰り道は、沙織ちゃんと帰る。
武蔵森だから寮なんだけど、沙織ちゃんも明日休みだから、一緒に家に帰る事になったんだ。
帰ると、珍しいお客さんがいる。
「英士?」
「遅かったね。」
「どうしたの?」
「幼馴染との別れを惜しもうかと思って。」
「…嘘くさ。。」
そう言ってしまいつつも、久しぶりに会えた幼馴染が嬉しかった。

私と沙織ちゃんと英士は幼馴染。私と沙織ちゃんだけが同じ中学へ行った。
3人で楽しい話をして、楽しい時間は過ぎてった。
時々、ユンの話なんかもでたりして。。

「じゃあ…」
「…うん。」
「気をつけなよ。」
「うん。。ばいばい。今まで、ありがと。。」

 

二人が帰ったあと、また一人で泣いた。

さよなら。。日本。
さよなら。大好きな…渋沢くん。

 

スペインでの生活は、私から寂しさを奪ってくれた。
語学を覚えなきゃいけない。
生活習慣、リズムとかを身に着けなきゃいけない。
色々なことが忙しくて、新しい環境だったのもあって、私は寂しいと日本を思いだして泣くことはなかった。
だけどやっぱり寂しいなぁとは思ってて、そしたら、お父さんとお母さんは、5月の私の誕生日に、あるものをくれた。

「パソコン?」
「あー。沙織ちゃん、確か携帯持ってただろう?」
「うん。」
「だから、パソコンで、メールできるから、しなさい」
「。お父さん。。ありがと〜〜!!」
抱き着いてしまった。ありがと。お父さん。

1日目はいじったり設定したりして過ごして、2日目、私はメールアドレスを取得した。

そして早速、沙織ちゃんに手紙を書いた。
メールアドレスを添えて。
それから私は時々沙織ちゃんとメールをしていた。

 

 

時は過ぎ、高校3年の時‥

ピンポーン。

誰だろ…そう思う。そして…

「えーし?!」
驚いた。なんで英士が…髪‥ワックスかけてんのかな。たってるけど…
でも英士ってワックスかけないよな。。しかもこんなに笑顔じゃない。。てかこれが英士だったら…怖い。。

「ヨンサじゃないよ。。」

ヨンサ。英士の事をそう呼ぶ人を、私は見た事があった。
忘れたくても、忘れさせてくれなかったその人の名前は、確か
「潤慶??」
「あったり〜。はい。郵便。」

ユンが私に渡してくれた郵便は全部で2通。
1通目は英士。
2通目は沙織ちゃん。
「わ、ありがとう!二人にあったの?」
「ううん。あったのは英士だけ。サッカーの試合が韓国であったんだ。そのときに頼まれた。」
「ありがと‥?ユン?!」
ユンは私の手にあと少しで手に入りそうだった手紙を奪い取る。
「もう一通あるんだ〜。ぜったいはこれが欲しいんだよ。」
「?誰からよ。」

 

 

「イニシャルKS.キーワードはGK」

イニシャルKS。キーワードはGK…。
GK‥ゴールキーパー…

 

 

Katsuro Shibusawa?

 

―渋沢…くん?―

「渋沢くん…?」
「あったり〜。さすが!」
「な、なんで?!」
「試合があったって言ったでしょ?」
「ちょうだい!」
「だ〜め。ただし、が言う事聴いてくれたらいいよ。」
「何?!」

そう言うとユンは私に一通の手紙を見せる。
へ。神童沙織。

「沙織ちゃん?」
「この子、紹介して!!」
「は?」
「渋沢克朗知ってるでしょ?」
「ん。」
そこに手紙があるのに知らないわけないだろう?と心の中で突っ込む。

「彼が写真を持っていたんだ〜。電車の中で、と、彼と、ツリ目とその子が映ってる写真。」

林間学校?かな…確かそうだった気が…。。班一緒だったよな〜。うん。撮った撮った。

「で!その写真に写ってた子、沙織って言うんだよね!」
「渋沢くんに名前聞いたの?沙織ちゃんね。うん。そんで?」
「紹介して!」
「ちょっと待って。だからなんで?」
「だってかわいいんだよ!」

確かに神童沙織ちゃんはかわいい。でも…
「ユンも昔会った事あるんだよ。」
そう言うと彼はうなづいた。にっこりと。
「知ってるよ!だってヨンサと僕とと彼女が映ってる写真持ってるもん。でも彼女、忘れてるかもでしょ!だから紹介して!思いださせて!」

そんな必要ないと思うけどって思った。だって
「沙織ちゃんには好きな人がいるんだよ」
そう言ったらユンはしぼんでた。
だけど…
「ねぇユン。そのことえ〜しに言った?」
「言ったけど?」

 

 

あんのバカ!
実はえ〜しは知ってる。沙織ちゃんが好きなのは誰なのか。 それはね、

「次日本に行く時にえ〜しにあわせてってお願いしなさい。」
「え〜〜〜〜〜〜。」
不満そうな声。だけど…
「メールしたいのは良く判るけどさぁ。」
「でしょ?だってだって渋沢だっけ?にメールしたいもんね。」
「う‥ん?………………………ユン??!!」
「あ〜コレ?が彼を好きだっていうこの知識は“ヨンサ”から!」

なるほどね。え〜しくん(怒)。
「そういえば知ってる?えーし好きな子いるんだよ。しかもまだ片思い。その子の名前教えてあげるから、それで脅しな?」

私はえ〜しの弱みをユンにばらして、え〜しに、とりもたせることにした。
後でえらく怒られたけど、私には聞こえない。ということで。
ユンが長期休暇で日本に行くとき、二人はえ〜しのおかげで再会する。
ユンが戻ってきたとき、沙織ちゃんからメールが来た。
うまくいったよ。幸せだよ。ありがとう。って

そうなんです。沙織ちゃんはユンが好き。 ずっとずっとユンだけが好きだったんだよ。

とりあえず私はユンから3通の手紙を受け取る。一通目は英士から。
ユンがいくから、よろしく。ということと、風邪をひかないように。ユンがスペインに来る事を知ってから書いたような短い文章だった。そして自分の近くにいるある子がすごく怖いと思ったって書いてあった。それはおそらく沙織ちゃんの事。

2通目は沙織ちゃんから。
なんか英士に持たせたらに届きそうな気がしたから書いた。って書き始め。
英士はびっくりしたんだろうなぁと思いながら、私が去った学校の様子がかかれていた。

 

 

そして運命の3通目。
郭の従兄弟がスペインにいくらしいということを郭から聞いたから。そういう書き出しだった。英士と同じ時期に書き始めたとは思えないくらいいっぱい書いてあって嬉しかった。
一番面白かったのは、あの渋沢くんと、あの英士が書いてくれた便箋が沙織ちゃんと一緒だったと言う事。きっと沙織ちゃんが無理やり英士に持たせて、丁度いいからってことで、きっと使ったものだって‥私は思った。

 

逢いたい
逢えない

 

忘れていた寂しさを…思い出した。

 

 


もうスペインにすっかりなれた20才。私は両親に言われた。
すっごい、すっごい…嬉しい事実。

 

 

 

「ひさしぶりだなぁ日本…」
「そうねぇ。にしても長かったわね。出張。」
「ったくだよ。」

そういいながら、私の両親は日本に帰れる事を嬉しく思っているみたい。

そうなんです。やっと。。やっと親の出張がとけたのです。帰って来いということで。うん。今までスペインで頑張ってきた成果だってお母さんは言っていた。
日本に戻ったら昇格までしちゃうみたい。

私を、幼い時に故郷からはなれさせてしまったことを、父さんはかなり気にしていた。だから、一生懸命仕事頑張りつつ、私も、お母さんも、大切にしてくれた。
帰るという事実を聞いた時、思わず父さんにお疲れ様。って言ったら、かなりニッコリと笑ってたなぁ。。

でも母さんは、向こうの主婦友達と別れるのはつらそうだったけど。
あ。もちろん私も、友達と別れてきたなぁ。でもアドレスとかきいてきたし。うん。

何より、戻れるのが嬉しい。

これがいなければ。

「にしてもすみません。僕まで。」
そう私の横で言ったのは李潤慶。

「いいのよ〜。どうせヨンサくんに逢うために日本に行くんでしょ?」
日本に寄ってから韓国に帰るという彼の分も一緒に飛行機の予約を取ってきたんだ。
タダで乗らせる気だったけど、ユンはチームからもらったという飛行機代を私の両親に払ったのだった。

ふと日本に帰ったときに“彼”を傷つけてしまうとまずいので、私は両親に忠告。
「その呼び方、えーしの前でいったら顔ひきつらせるんじゃん?」
「そっか。ヨンサくんは、えーしくんだったね。」
そう父さんが言う。
ま。何げに私もヨンサってよく言ってた。だってユンがいたんだもん。

うちの両親はユンを偉くお気に入りで、私の彼氏だと想ってるらいしけど、、バカじゃん?私の大切な人は。。日本にいるんだから!!
もちろんユンの大切な人もね。

 

窓を見ながら、ふと日本の事に想いをめぐらせる。

彼女は元気かな。
彼はうまくいったかな。相変わらずクールなのかな。
彼は、、、元気かな。。
結局私は中2の時に旅立ってから一度も故郷には戻っていない。

「ヨンサにはとりあえず、何時の飛行機で日本に着くか言ってあるんだ。」
そして隣でニッカリと笑うユン。
あの人には言ってくれたのだろうか。。

「とりあえずヨンサにしか言ってないよ?あとはヨンサ次第だね。」

ココロを読みやがった。とココロで悪態をつく。
でも、私だって、ちゃ〜んと仕返し用意してあるんだから!

私が用意した仕返しは、沙織ちゃん。だってユンはいつも何も言わないで突然彼女の目の前に現れるから、今度は私が教えてあげたの。何時の便で日本に帰るからって。着く予定時刻も。
これはもちろんえ〜しもユンもしらない(ニヤリ)

でも沙織ちゃんが渋沢くんに知らせるねって言った時、断った。
だって彼は忙しいってことを知っていたから。ユンも冷やかしで、彼、大学行きながらプロのサッカー選手になったよ。って言ってたし。

 

いつか…また偶然の名の元に出逢えるのなら…それだけで私は幸せなんだ。

好きって事が、どれだけヒトを強くするのか、どれだけ支えてくれるか、どれだけ大切か。
教えてくれたのはあなたでした。

ありがとう。
もし逢えるのなら‥意味不明でもかまわない。
その言葉を一番最初に言いたいです。

 

「ユン達が着くのはもうすぐか。」
郭英士は一人で立っていた。はずだった。

「あ。みっけ〜。英士〜!!」

…。何?
振り向くと…
「沙織?!」
「うっわ。すっご。英士も驚くんだねぇ。」

「なんで時刻‥ってか。」
「当たり前でしょ〜!ユンが帰ってくるんでしょ」
「え・」
と一緒の便で。」
「…。なるほどね。でもユンが可愛そうじゃないの?沙織をびっくりさせることが、アイツの楽しみだと思うけど?」
「ぜ〜んぜん。私も今回びっくりする顔を見せてもらうわ。それで快感だったら、、まぁ今まで黙って来てたのも、許してあげてもいいかも。でももおかしいよねぇ。渋沢くんに連絡するね。って言ったら断ったんだよ。」
「ふ〜ん。」
ニヤリと笑った顔が見えた。気がしたら…見えた。
「…ねぇ英士。」
「ん?」
「しっぽ生えてるよ。」
「そんなわけないでしょ。」
違くて英士さん。何か企むときに、見える人には見えるしっぽが…。
まぁいいや。頑張れ。

 

 

 

日本の地が下に広がっている。
もうすぐ。もう上空まで来てる。
あとちょっとで…日本に。。故郷に帰れる。
。。。
帰ってきたんだ。。故郷。

嬉しくなる。
沙織ちゃんに会えるのも嬉しいけど…彼女のためにはその気持ちは我慢しなきゃ。と意気込む。

着陸姿勢に入って、着陸。

ついた〜〜!!

ひっさしぶりの日本。
ただいま。我が故郷〜〜。なんて思って見たり。

ゲートで荷物を受け取り、そして。
「あ!英士〜〜!!」
私は英士を見つける。後ろに何かいるのは‥沙織ちゃんね。
「ほんとだ。ヨンサ〜〜〜!!」
そうとうでかかった私の声より、彼は大きな声で叫ぶ。
「うるさいよ。ユン。」
「久しぶり〜♪ヨンサ!!」
「ユ〜ン♪♪」

 

 

 

「ぇ?????」

私は爆笑。
英士も笑いをこらえてる。あ。耐え切れなくなった。

そうなんです。
沙織ちゃんを見たユンが、めずらしく固まっているんです。

「久しぶりだね!ユン!逢いたかったよ!!そんで、驚かせるの楽しいね!」

にこにこと笑っている沙織ちゃんを見たユンの顔は赤くて。。
更に爆笑。

「久しぶりだね。沙織。」
「うん。」

そして二人はただいま。と言ってキスをしてた。。おいおいおいおい。
これは現実よ!ドラマじゃないの!!
そう突っ込みながらも、私も見てて嬉しかった。

「おもしろかったね。んで、久しぶり。英士。」
「うん久しぶり。家は前と同じ?」
「ううん。ちょっとだけ変わるみたい。」
「じゃああいつらほっといて行こうか。」
「そうだね。」

私は沙織ちゃんに、また後でね。と告げて、ユンと沙織ちゃんを置いてタクシーに乗り込もうとしたら、、二人はダッシュで乗って来た。。。

 

 

 

 

そして新しい家にお引越し。
英士関係の人達に手伝ってもらって、一通り終了。
そして私は
英士の薦めで
近くの河川敷に行った。
ゆっくりしておいでよ。そういわれたから。

 

 

「日本語がいっぱい…。。」
嬉しくて、斜面に横になる。そして
昔からのクセで
目を閉じる。

河川敷に来ると、横になりたくなって、そして目を閉じたくなる。

ガサゴソって音が周りでちょっとしていて、
だけどそれを気にすることなく、視覚以外の感覚で、私はソコを楽しんだ。

ふと、自分の顔に影ができたのを知る。
目を閉じていてもわかるその感覚に、私は目をあけ、顔をあげる。

「…………………………………………………」

 

 

 

「久しぶり。」

 

その人は、にこりと笑って、そこにいた。
昔と変わらず、少しだけ大人びて、そこにいた。

見上げたら…
見上げたら…彼がいた。
見上げたら、私の片想いの相手、渋沢くんがいた。

「渋沢君??…なんで?」

「郭とそこまで一緒だったんだ。今いないけど。」

 

 

 

 

 

英士くん…。今は君が天使に見えなくもないよ。

 

 

 

「久しぶりだな。さん。」

「うん。久しぶり。」

 

 

逢えた。
逢えたんだ。
偶然なんかじゃない。英士があわせてくれた、必然の名の元で。
渋沢くんと会う事ができた。

「隣、いいか?」
「あ。うんっ!」

渋沢くんは私の隣に腰を降ろす。
そして私は先に疑問を解消する事にした。
「渋沢くんは、英士に連れてこられたの?突然?」
「突然ではないな。多分、さんが郭に連絡をした日ぐらいに、郭はオレに連絡してくれたんだ。今日あけといてくれって。」
「なんであけといてくれって言ったのか聞かなかったの?」
「…。で、」
そらされた…。

「で、あけて置いて、待ち合わせもしてたんだ。そしてソコまで一緒だったんだ。」

にこりと笑う渋沢くん。少し微笑みながら渋沢くんが今度は私に質問する。

「で、なんで郭には連絡したのに、オレには連絡してくれないんだ?」
「え…」

忙しいから。大変そうだから。邪魔したくないから。
一番嫌だったのは、
彼女がいたらって事。
もう20になる。彼女がいたっておかしくない。だから?
見られて手紙を捨てられるのが怖かった。
もし彼女がいるのなら、私の手紙が二人の幸せを壊してしまうから。。

「えっと‥忙しそうだったから?」
「疑問符がついているが。。」
「気にしないほうがいいよ!だって渋沢くんだってさっき…」

 

 

 

「オレに‥あいたくなかったか。。」
「え?!」

そんなことはない。断じて違う。
だけどさっきのは‥あまり言いたくない。

「それだけは違うわ!信じて欲しい。」
渋沢くんの目を見つめる。
いつもならハズカシすぎてできないけど、今は特別。誤解を…解きたい。

 

「…たかった。」

「え?」

小さな声でつぶやかれた言葉は、全部私の耳には入ってくれなかった。

私は彼の言葉を聴こうとする。だってすごく大切な、言葉みたいに感じたから。

「オレは、逢いたかったんだ。さんに。
郭から、オレの大切なものが今日届くって聞いて、意味がわからなかったけど、
だけど、今日ここにつれてこられて、本当に?って思ったんだ。すごく、嬉しかったから」

 

 

届くって…英士(怒)
…大切なモノ…って…まさか私?

「大切なものって、、私?」

恐る恐る聴くけど、彼は何も答えない。
そうだよね。私じゃない。
「そうだよ。」

「え?」

渋沢くんは、私が言った事を肯定する。

 

 

「別れる前から…ずっとさんの事が、好きだったんだ。」
「…彼女、いないの?」

「いるわけないだろう。彼女にしたいのは、君だけだから。。」

まさか本当にこんな日がくるなんて、思わなかったけど、訪れてしまった。

ありがとう。大好きな人。私も言うよ。

「私も‥あなたが…」

 

 

 

Fin

 

 


 

中途半端でごめんなさい。。。。。。

 


胡事把枝様に頂きました!!
しかもまぁ潤慶が出張る出張る。最初なんで潤慶!?とか思ったらスペインに行ったからか。最初なんでスペイン!?とか思ったら潤慶を出すためだったんですねぇ。いやぁ〜しっかしあせったわ。あはははは。
まぁ今回は遠距離恋愛とまではいきませんが、なんだかヒロインの気持ちを試されたようなお話でしたね。こういう想いを抱えて遠くへと旅立たれたなんて方も少なからずいらっしゃるような気がしますね。そういう人には親近感があるのかな(笑)
渋沢さんとの話がメインというよりは、潤慶の話がメインチックで、これは潤慶ように名前変換を用意した方がいいかと悩んで結局そのまま放置です。申し訳ない。
あと、タイトルは、じつは彼女のサイトのアドレスにそう書いてあったから(うぉい)あははは。一回先入観持っちゃうと本当ダメです。すいません。
本当にどうもありがとうございました。毎回毎回ステキ作品本当にどうもです!

俊宇 光