渋沢さんドリーム「あなただからあなたが好き」
 

 

あなただからあなたが好き

 

 

「好きです。」
「…」

思った通り、彼は唖然としていた。
唖然として当然。だと思う。
“友達”に告白されたんだもんね。

あなたは私のことを友達だと思っていたでしょ?
私も少し前までは、そうだったんだよ。
だけど、今は違うよ。
ちゃんと一人の男の子として、あなたが好きです。

守護神だから?
 それもあるかもしれない。
キャプテンだから? 
それもあるかもしれない。
格好いいから?
 それもあるかもしれない。
何でも努力して出来るから?
 それもあるかもしれない。
笑顔が素敵だから?
 それもあるかもしれない。

でもひとつ、確実に言えること、
私はあなたが渋沢克朗だから、
私はあなたが好きです。

 

はじめて同じクラスになったのは2年前。
ドキドキしながら入った武蔵森
初めての年、あなたと同じクラスになった。
サッカー部での活躍はよく聞いていたよ。
一年でも、あなたは有名だったから。
サッカーが好きだったの。
それが私のマネージャーを始めた理由だった。

1年前、あなたは新しいキャプテンになったね。
同い年の1軍の男の子も、
1個下の1軍の男の子も、
そしてもちろんあなたも、すごく有名だった。
イベントとか、見ていて大変そうだなって思ったんだよ。
特にバレンタインデーと誕生日。

そういえば2年前にもチョコをあげたね。
あのときのチョコは完全に義理だった。
いつもお疲れ様っていう気持ちを込めてのチョコだったよ。

1年前にあげたチョコは、2年前のものとは少し違っていたよ。
ちゃんと好きって気持ちが入っていた。
ただ私はそれを言うことが出来なかった。

皆、勇気あるなぁって思ってた。
だってあなたに告白できるんだもん。

由岐ちゃんも凄いね。
 だってあの三上くんに告白したんだよ?
  しかもうまくいった。おめでとう!
沙耶ちゃんも凄いね。
 だってあの笠井くんに告白したんだよ?
  しかもうまくいった。よかったね!
真樹ちゃんも凄いね。
 だってあの藤代くんに告白したんだよ?
  しかもうまくいった。幸せそうだね。

私は絶対にうまく行かないよ。
自分でそれはきっちりと、わかってる。
じゃあなんで告白する気になったんだろうね。
私にも良くわからないの。
だからお願い。聞かないで。

 

とりあえず、私は勇気を出して告白した。

これで第一関門クリア。
次の難題、頑張らなきゃ。
告白して、爆発しそうな心臓を押さえながら、
返事の方法を言わなきゃ。

「もし、私のことが好きならば、ちゃんと言ってください。
 やっぱり、私が友達であるならば、手を握ってください。」

私は目を閉じて、右手を出す。

 

 

 

少したった。
無反応。

 

そしてまた少したったときだった。
右手に感触…。
―やっぱり…駄目か………やばい。泣きそう。―
「わっ!」

 

 

 

なんで?なんで?
手を握ったよね?握ったよね?ねぇ。
ならなんで、引き寄せるの?
なんで私のこと、抱きしめるの?
ねぇ、ねぇ?
同情なんていらないよ?
ふってよ。ねぇ!

「好きだよ。俺も。」
「別に、同情なんていらないよ。ちゃんとふって。」

そう。お願い。

「ふることなんか出来ないよ。
 同情もしていない。
 俺がが嫌いだとして、同情するならば、ちゃんとふるから。」
「じゃあ…なんで?」

「そんなもの、が好きだから抱きしめているに決まっているだろう?」

 

 

 

 

 

 

「嘘だ。ぜったい嘘だ!克朗!今日熱があるんでしょ?そうでしょ?やっぱり?」
「熱なんか無いよ。いたって元気。」

私にその声は届かなかった。
だって嘘みたい。
うん。きっと嘘。

「やっぱりあるんだ。明日でいいよ。明日で。」
「今日でいいよ。ていうかもう返事したし。」

ありえない。
やっぱり夢よ。夢。

「きっとコレは夢だ。そうだ。きっとそう。うん。」
「…現実だよ。現実。実感させてやろうか?」
「ん〜。実にリアルな夢である。」
「…。肯定と受け取らせてもらうよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい?

 

 

 

「な!」
「夢じゃないだろう?わかったか?」
「な!!渋沢くん?!」
渋沢くんは私を抱きしめたまま、そう言いました。
私は渋沢君にぎゅっと抱きしめられながら、
さっきのことを思い出す。

気づいたら渋沢くんの顔が認識できないほど近くにあって、
唇に感触が…。

 

 

 

キス…されたの?
「その通り。」
「うそ!コトバに出してた?」
「思いっきり。『気づいたら…』ぐらいから。」

「恥ずかしぃ。」
「俺だって恥ずかしいから大丈夫。
 ?俺はが好きだ。」

 

「…本当に?」
「あぁ。嘘なんかじゃないし、夢でもないよ。」
「……ありがとぉ。嬉しいよっ!」

私は渋沢くんのコドウを聞きながら、涙を流したんだよ。
だって、嬉しいんだよ。
大好きな人から、
大好きって言ってもらえて、
幸せなんだよ。

もう、、なんの未練もないかもしれないなぁ…。

 

 

ふぃん。

 


終わり方中途半端でスイマセン。
そしてやっぱり題名不明です!
もうこのさいだから
全部題名つけてください!!
(おいおい〜。)


胡事 把枝様にいただきました!!!あはははは。今回も私が題名をつけちゃいました〜。すんませ〜。なんだか最初の文章から引用しんね。守護神だから?かっこいいから?とかいろいろ言ってたからさ。だから、彼女にとって、「あなただからあなたが好き」ってわけで。で、渋沢さんにとってヒロインは「きみだからきみが好き」ってわけで。だからこの題名をもし声に出して読むのであれば、二人でどうじに上の台詞を言って貰うって感じです。文字数あわないけど、同時に言って、同時に終わるみたいな、そういう言い方ができればいいな〜。的意味を込めて。あははは。
お話は信じられないよ!!!っていうような話ですが、私もそういう人なので読みながら含み笑いをしていたのが事実です(待て)あはははは。素敵だ〜。
これからもどうぞよろしくです。ありがとうございました。

俊宇 光