ね、もしも、もしも、別れようって言ったら、
あなたはどうする?
嘘
「別れよう?」
私は結構真剣な目をして言った。
目の前の人は、目を丸くして…普段は崩さない顔を思いっきり崩していた。
そんなにびっくりした?
当たり前だよね…昨日まで、いつもと一緒だったもん。
いつも一緒。
一緒に登校して
朝練も、ついていった。
放課後も一緒にいた(マネージャーだったし。)
一緒に帰って
メールして…
ここのところずっとお休みだったから、
一緒に部活にいって、かえって、メールした。
楽しい毎日
そしてそれが
当たり前。
「な、んでだ?」
その疑問は当たり前。
わかってるよ。
うん。
「だって、、当たり前になっちゃったんだもん。
それに克朗、優しいから、寂しい。
克朗、強く言われたら断れないでしょ?
昨日も強く言われてたよね。
さんと別れて!私と付き合って!」
「そんなこと…」
言いたいこと、わかるよ?
そんなことありえないって、言いたいんだよね?
「ありえないって、本当にありえないって知ってる?
克郎は強く言ったら断れない人だよ。
あの子、私達の学年で一番かわいい子だし、
私を彼女にしているよりも、きっと反感かわない。」
そう。昨日、克朗に言い寄っていた女の子は私達と同学年で、
一番かわいくて、とてももてる女の子。
それだけもてるってことは、きっと振られた経験がないから、
半ば意地みたいなものも、あると思う。
そして私は決定打になるだろう言葉を言う。
「それに嫌がらせはもう限界!」
克朗の彼女になるって決まったときからわかりきっていたこと。
毎日が嫌がらせの嵐。
克朗とはクラスが離れているから、克朗に気づかれずに私を連れ出すのはとても簡単。
同じクラスの女子の視線も、もちろん他のクラスの女子の視線も、
そして他の学年の女子の視線も、イタイ。
つらいんだよ。克朗。
「だから、別れ・・・わっ!!」
急に引っ張られて、そして抱きしめられる。
あれ?
「どうして言ってくれなかったんだ!」
「え」
「どうして今まで言ってくれなかったんだ?
そしたら誰を使ってでも同じクラスにしてもらったのに…
でもまだ間に合うか…」
お兄さん、今ちょっと引っかかったのですが…
「始まったら、のクラスに行くから!ちゃんと守るから!毎時間毎時間、のところに行くから!」
珍しい…克朗が動揺している。
いつもみたいに優しい抱きしめられ方じゃないけど…
独占欲が結構わかる抱きしめられ方だけど…
だけど、、
離さないって抱きしめられ方、だね。
じゃあもう…いいや。
私は克朗に抱きしめられたまま、片手でメールを打つ。
そして送信。
♪♪♪♪♪♪
「見ないの?」
「そんなことどうでもいいから、…」
「私からなのに?」
「え」
そう。さっきの音。私が送信したの。
あなたに…ね。
「抱きしめたままがいい。読んでよ。声に出して…」
「え」
「いいから!」
強く言ったら、あなたはOKしてくれる。
案の定、克郎は見てくれた。
「本当にからだ。
…
ごめん。
さて問題です。
今日は何日
でしょう?」
知っていた?
知らなかったでしょ?
「さて問題です。
今日は何月何日でしょう?」
「4月…1日…………」
「よく出来ました。うそだよ!うそ!」
克朗には悪いけど、ケラケラと笑った。
面白くて…
そしたら
ぎゅって…
ぎゅって強く抱きしめられる。
「いたぃょ…克朗…」
「本当に、びっくりしたんだからな…」
痛々しそうに、克朗はそう言う。
「ん…」
「嘘だよな?」
あたりまえじゃない…
「うん…」
「俺のこと、どう思ってる?」
答えるまでも無いよ?
「世界で一番、大切な人だよ?大好き。」
「よかった…」
「ごめんね。だましてごめん。だから、ご褒美上げる…」
「え?」
「…嘘じゃない。全部が全部、嘘じゃないよ?」
「克朗の事を大好きな子達にいじめられてるの、嘘じゃない。
克朗に昨日告白した子と付き合ったほうが、反感かわないってのも、
嘘じゃない…。」
私は克朗の背中に手を回してそう言う。
「頼って欲しい人だよね、克朗は…
でも前に言ったよね?
は頼ってくれないって…。」
「確かに、、言った。」
少し考えてから、そう答える克朗。
言ったよね?
だから…
「だから、頼ってあげた。…ご褒美です。」
克朗は少しだけ笑って、
「もうひとつ、、、もらうよ。」
そう言って、キスをくれた。
私達の、初めての…キスだった。
顔はもう真っ赤。
でもね、克朗はそんな私を見て、キャプテンスマイルよりも極上?の笑顔で、私に言ってくれた。
「の身体についてる傷、すごい気になっていたんだ。
でもが何か言うまで黙っていた。確証もなかったし。
でもこれで、大丈夫だな。。」
「え」
新学期が始まると、克朗は私のクラスが授業を終える1分前には廊下にいた。
「え?なんでこんなに早いの?」
「のために先生をちょっと。
あ、気を使わないで。なんていわないでいいからな?
どうせ来週から同じクラスなんだから。」
「え゛」
―おどしたな…―
そんな私のところに、いつも私をいじめるグループの子達が来た。
「来たな。」
「し、し、し、渋沢君?!」
克朗がここにいるなんて思わなかった子達はすごくびっくりしていた。
克朗はキャプテンスマイルに黒を混ぜたデビルキャプテンスマイルを浮かべ、
「出てきていいぞ。」
そうつぶやいた。
「…は?」
が正気を取り戻した頃には、女の子達を、武蔵森サッカー部全員が取り囲んでいた。
その中には、私の親友、小佐々由岐ちゃん、結城沙耶ちゃん、小川真樹ちゃんもいた。
そして武蔵森サッカー部にしては多いなぁと思っていたら、(それでもめちゃめちゃな人数だけど…)克朗と仲が良い(ライバルでもある)学校のサッカー部のメンバー数人?+彼女(見たことある人たち)もいた。
が唖然としていると、
克朗が、デビルキャプテンスマイルを浮かべながら、言ってた。
「に何かしてみろ。どうなるかは知らないぞ?」
怖い・・・怖すぎる!!
…笑顔使って、、人を脅してるあなたは、、、ちょっと怖い…(汗)
でも、私のために、コレだけのメンバー、、集めて(おどして?)くれたんだね…
ありがとう。
「克朗?」
「ん?」
振り向いた克朗は、今までの微笑とは違くて、
すごく優しい微笑みだった。
その微笑が、私だけに向けられるものだって考えると、嬉しかった。
「ありがと…大好きだよv」
「俺もだ。。」
克朗は、私にキスをしてくれた。
あなたがいれば、大丈夫。
何があっても、、生きていける。
克朗、あなたは私にとって、支えだよ。
胡事 把枝様にいただきました。
10にも似たような話ですが、こうやっぱり人気者に手を出すと必ず来るいじめにも似たようなそんなこと。人とはねたみ、恨み続ける生き物。自分にない物をねだり、自分よりも上の物をうらやましがり、自分より下の物をさげずむ。すごい生き物だと思いますけど。それが人としての性なのだから仕方がないのかもしれません。
このお話は、そういったことを受けてきた少女が意を決して言うお話ですが、私には無理です。それでさもし「別れて」「いいよ」て言われたらどうするんですか!?今まで我慢してきたのが水の泡になっちゃうじゃないですか。そんなの私は嫌だ!!!相当勇気のいることだと思いますよ?まぁでもそれで別れるって形になってもそれでもいいって思うほどヒロインは追いつめられていたのかも知れないですが。まぁ最後は彼が守ってくれるという形になりまして、ハッピーエンドです。素敵に黒い渋沢さんでした(爆)
本当にどうもありがとうございました。
俊宇 光
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