●君の事が好きなんだ●
「君の事が好きなんだ」
言われた言葉は一瞬、の身体を通ってどこかに抜けて行った。
見上げるほど大きな人が目の前にいる。
は青年のうつむき加減な顔に朱が走っていることに気が付いて驚いた。
サッカー好きな友人に連れまわされて行った試合の中で、彼はいつだってきりっとした顔をしていた。
険しい顔をしていた時も少なくない。
圧倒的な存在感で守護神と言われていることをは友人のに聞いて知っている。
どこか大人びた顔は、年に合わない落ち着きがあって、遠くから眺めるたびには彼はきっとどんな時にでも取り乱したりはしないだろうと思っていた。
「…‥さん?」
無言になったに彼が言う。
その声は、少し怯えているような、そんな感じがした。
怯えている?
ちょっと違う。
でも、不安に思っている…。
そう、そんな感じだ。
この人でも不安に思ったりするんだ…。
それは、奇妙にに安心感を与えた。
「さん…。あの‥」
ふっと、彼の不安そうな顔を見たら彼に言われた言葉が、身体の内側から甦った。
「君の事が好きなんだ」
キミノコトガスキナンダ。
君のコトガスキナンダ。
君の事ガスキナンダ。
君の事が好きなんだ。
すとんと、の心の中で言葉が落ちる。
「……あ…へ…え‥?」
何を言われたのか分かって、は自分の頭に血が上るのを感じた。
「さん。迷惑だったら言ってくれていいんだが…」
答えないの様に彼はそう言った。苦しそうに。
「…そんなことない!迷惑だなんてそんなわけない!」
彼を苦しめたくなんか、ない。
頬を、彼の頬を染められるのが自分でよかったと、嬉しかった。
はそう叫んでいた。
渋沢克郎はその時、死ぬほど嬉しかったと後に惚気たことは、今は内緒である。
「で、ちゃん。渋沢さんと付き合う事にしたんだってさ」
にこりと嬉しそうに微笑まれて若菜結人は肩をすくめた。
「ちぇ、結局そうなったか…」
「なによ、若菜。まさかちゃんのこと好きなわけ?!」
きゅうっと彼女の眉が上がる。若菜は慌てて顔の前で手を振った。
「んなわけないない!俺はが一番好きだから!」
「…恥かしいよ‥」
思わず言った言葉には顔を真っ赤にした。
「お前が言わせたんだろう!」
若菜も顔を紅くしてしまう。
そんな二人を遠くから見つけてしまって、郭英士は「あーなんかむかつくね」と呟いたのだった。
フリーDLSSです。
10万ヒットを記録いたしましたので、喜びのSSです。
で、実はこれ、若菜夢『君と見た夢』のヒロインちゃんのご友人と渋沢くんのドリームです。
つまり続き物…。
しかも、この話のヒロインちゃんと渋沢の話はまた連載(つっても2,3回ですませるつもりですが)になります。
とりあえず、フリーでは告白編と言うことになりますでしょうか…。
お持ち帰りはご自由ですので、どんどん持って帰ってやってくださいませ。
若月様にいただいてしまいました!!!!っていうか貰ってきたんです!!本当にどうもありがとうございます!こんな奴にこ、こんな素敵なドリームを。本当に本当に感謝しています。し、しかも渋沢さん!!!!おもわず更新履歴を見て「渋沢さん!?」と固まった授業中(死)あははは。もう授業中にも関わらず速攻渋沢さんだけでも!と読みふけっておりました。すっごい久しぶりに渋沢さんドリーム読みましたがやっぱり若月さんの文才は素晴らしいです!!!嫉妬半分感動半分で楽しく読ませていただきました(爆)結人と彼女さんの二人がすっごい好きです(笑)この二人の話は若月様のサイトで読めます!長編物のまだ連載してるものですね。私は連載物は全部載せ終わってから見るタイプなので、終わるまでぐっと我慢です。この二人がすっごく好きです(笑)いやいやもちろん1番は渋沢さ(げふ)えーまぁ、本当に楽しいお話ありがとうございました。
こんな素敵なお話がフリーだなんて!!私はまだ神に見放されてなんかいなかったですね。素敵(死)
本当にどうもありがとうございました。
俊宇 光
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