傷の数だけ…
最初は小さな傷だったんだ…‥。
は俺に何かを隠している…そう思ったのは今回だけではなかった。
いつも一人で何かを抱え込んで心に深い傷を作っていた。
聞きたいけど聞けない…‥聞いてしまったら彼女をもっと傷つけてしまう
そんな気がしたんだ………‥。
俺とは付き合い始めてもう1年になる。
つい1週間前、が手に小さな傷を作ってきた。 『紙でちょっと切っちゃった。』 といっていた。 でもその傷は日を重ねるごとに大きくなっていった。
それでもは俺に真実を告げずにいた。 聞こうとするとタイミングよく邪魔が入ったり、『ちょっと切ったの。』とか『ぶつけちゃった。』
しかしの手はバンドエイドをしていたはずなのにいつの間にか湿布に変わっていた。
……、なぜ俺に話さない?
そして今、俺はを問い詰めている。
「…その傷どうしたんだ?紙で切ったにしては大きすぎるだろう‥。」
「克朗…そんなに人の心配ばっかりしてるとふけるよ〜。」
「真剣な話だ。切り傷やちょっとぶつけただけではないだろうう…その湿布は。」
「…ただのストレス!ただちょっと嫌なことがあって…‥だから部屋の壁殴って怒りをおさめてたの!!まさかこんなに酷くなるとは思わなかったけどね。」
そういってはハハッと笑っていた。
『気にしなくて良いよ…私の問題だから。』
そういっているように俺は感じた。
「なんで俺に話してくれないんだ?お願いだもう壁を殴らないと約束してくれ。」
お願いだから…‥言う事を聞いてくれ……。
「無理よ…‥。だってそうしたら他人が被害にあう。私のストレスは全然へらないじゃない!!」
「俺がストレスになる前にお前に悩みを全て聞いてやる。俺は…お前の彼氏なんだぞ。
それでも彼女は俺に言葉を拒み続けた。
俺では君の支えになれないのか?
「…克朗…そんな顔しないで。克朗は十分私の悩み聞いてくれているじゃない。
あぁ…そうか君は俺の心配までしていたのか…‥。
「俺は弱くない。自分の彼女の悩みくらい聞けなくてどうするんだ。」
「……でっ‥でもっ!!」
「…聞いてくれ。悩みはの話したい時にから話してくれればいい。
「…はい。」
「君に傷を作って欲しくない、大切なんだ。」
「……ありがとぅ///」
大切な大切な君だからこそ心にも体にも傷を作って欲しくない。
いくら強い君でも俺に守らせて欲しい。
俺をそう思わせるのは君だけだ
――― ―――
END
+あとがき+ 1000HITドリームですっっ!!ごめんなさい。。なにやらリクエスト通りにいかなくて。 こんなのじゃ癒されませんよね…‥(汗) 2003.11.29 夕凪 伽弥乃
俊宇 光 |