渋沢さんドリーム「とりあえず…」
 

 

とりあえず…

 

私の夢…それは限りなく無理に等しくて叶うはずは無い。
でも誰だって1度は望むでしょ?好きな人との未来。
お付き合いから始まって結婚して子供も出来てそんな幸せな家庭像。
でも私は無理だ…相手を間違えたみたい…。
近くにいるのにあまりにも遠すぎる。

私とあなたはただのサッカー部のマネージャーとサッカー部のキャプテンというだけ。たいして特別なつながりはこれっぽっちも無い。

 

 

 

 

3学期も始まり寒い日が続く。私の思いは日を増すごとに募っていき今にも爆発しそうだ。今年3年生の私はすでに部活を引退し受験勉強に熱を入れている。
それもそのはず、ほとんどの人が付属の高校に行くので受験勉強なんてしない。でも私と私の思い人渋沢克朗は違った。付属高校よりもう1段階上の学校を目指していた。私にとってはあまりにも難しい選択で親にかなり反対され先生たちには付属の高校を進められたが私は引かなかった。渋沢克朗と同じ高校がよかったから。

「はぁ〜…。」
「どうしたの?ため息なんてついて。らしくも無い。それにその目の下のくまはなに?女だって自覚はあるの??」
「ひどい伽弥乃(泣)」
「ひどいじゃない!顔色もよくないよ。目も充血して。あんた気付いてないだろうけどみんな心配しているのよ。」
―うわっ!そんなの初耳だし。
「殴っていい?」
―急になにを言い出すんだこの子は‥。
「といっても無理そうだ。あなたのダーリンが近づいて来てるし。」
「ちょっとまて。私まだ克朗と付き合ってない。」
『ふ〜ん』と言いながら伽弥乃は私の元を離れていった。
なんてひどい友達なんだ。こんなこと言ったら本当に殴られるけど(汗)
「まっいいか‥。」
「さっきから何を一人でぶつぶつ言っているんだ?」
「えっ!?克朗?なんでいるの?それになんか言ってた私?」
「あぁ。『なんてひどい友達なんだ』とか『殴られる』とか。それとなんでって放課後だからな。それにに会いたかったしな。」
―うそっ?!まさか…///
顔が赤くなったがすぐにまた青ざめることになる。
克朗に聞こえていたと言うことは伽弥乃にも…。チラッと伽弥乃の方を向くと伽弥乃は今までに見たことが無いくらいの満面の笑みを見せた。その時私の頭に浮かんだ四字熟語は
『悪魔降臨』だった。死を覚悟しなくては…。
?なんか悩みでもあるのか?」
「…う〜ん‥ちょっとね。」
「俺でよかったら相談にのるぞ。」
―克朗やさしすぎるよ…。私たち付き合っているわけじゃないんだよ。
「じゃあのって。私高校で福祉課を選択したのよ。それで過去にでたレポートの課題を見てたら『あなたの幸せはなんですか?』とか『夢はありますか?』なの。」
「なんだか簡単そうで難しいな。」
「そうなの。福祉って言ってもいろいろあるでしょ。このレポートはカウンセラーで相手に相談された時に自分の考えとかがないと相手の相談にはのれないってことらしくて。」
にも夢はあるだろ?」
―えっ!?
「俺の夢はサッカー選手だ。」
―サッカーがんばっているものね。
「…?」
「…っごめんとんでた。夢かぁ…私のゆめは克朗と一緒に…。」
「なんか言ったか?」
「ううん。なんでもないよ。それよりお互い頑張ろうね受験。」
「あぁ…?」

教室を後にした克朗は最後まで私の顔色のことは言わなかった。いらない気を使わせてしまったみたい。
それにしてもやっぱりだめだな私。克朗にはつりあわない。克朗が遠い。
胸が痛いな。
!!」
「えっ!?伽弥乃どうかしたの?」
「あんた泣いてるよ。」
「…っ。」
―私泣いているの?なんで?
「…ははは。」
。辛いんじゃないの?が渋沢君と話してる時なんだか寂しそうだよ。それはきっと渋沢君もわかってる。無理しているって…。」
「…だって。どんどん離れてくの。遠くなってくの。」
!告白しな。私が今からよんでくるから。このままじゃあんた壊れちゃうよ。いつもみたいにあんたには明るく笑っててほしの。だからね‥。」
「うん…。」
コクリとはうなずいた。それを確認し伽弥乃は教室を出た。

教室をでた伽弥乃は驚いた。そこには渋沢克朗がいたのだから。
「渋沢君…。盗み聞きなんていい度胸ね。私との愛の語らいを。
とそういう話は置いといて行ってあげて。待ってるから。」
「あぁ。ありがとう。」
教室へと足をすすめた渋沢に伽弥乃は忠告した。
「振ったりしたら怒るよ。」
「それはない。」とふっと笑った渋沢は教室へ入っていった。
―まて今の笑みはなんだ?黒いぞ。大丈夫かなぁ?
まっいいかと言うように伽弥乃は教室を離れた。

 

 

廊下で足音が通りすぎるたびに心臓がバクバクする。でも待っているのがだんだん辛くなってきた。不安でしょうがない。断られたらどうしようとか、嫌われたらどうしようとか。やめるならいまだ。後悔する前に身を引こう。

はガタッと席を立ち帰り支度を始めた。
その時だったガラッと教室のドアが開き克朗がはいってきた。
「かつ‥ろ。」
…。」
「ありがと来てくれて。私…
「俺はのことが好きだよ。付き合おう。」
―えっ!?
「‥克朗…‥本当に??私なんかでいいの?」
ボロボロと涙がでた。あまりにうれしくて。
「あぁ。じゃないとだめなんだ。」
「うれしっ。私も…好き。」
あまりに恥ずかしくて顔が熱い。
「プッ…ははは。」
「克朗なんで笑うの!?」
急に笑い出した克朗を見て私はおよおよと混乱した。
「あぁ悪い。があまりにかわいくてな。」
「なっ…///」
―恥ずかしい。
克朗はというとさらに顔を真っ赤にした私の頭をなでていた。これもこれでかなり恥ずかしい。

この日私は克朗と一緒に帰った。手をつないで。克朗の手は暖かくてやさしかった。

「克朗、私の夢一つかなったみたい。大好きな人と付き合うこと。」
ニコニコというに克朗は撃沈した。

その後…
と克朗が付き合っていることは校内中にしれ渡り10日間はその話題で持ちきりだった‥。
高校受験はというと見事2人とも合格。これで克朗とこれからも一緒にいられる。それを思うと思わず顔が緩んだ。伽弥乃には毎日のように
『不気味』といわれる始末だった。

 

おわり


光さんへ‥

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。少しは受験の励みになるかなぁっと思い送らせてもらったのですがこんなのじゃぁ励みになりませんね。まじごめんなさい。
こんなのドリームじゃないですしね…
「まったくだ‥。」
うっその声は渋沢さん。
「こんなのをもらった光がかわいそうだ‥。」
ごもっともです。
「自覚してるならもっとましなものを書け。」
もかいちゃったし。いいんだもん。(逃)
「逃げたな‥。ごめんな。夕凪は懲らしめておくから安心してくれ。受験勉強がんばれよ。」

2002・11・9 夕凪 伽弥乃


わーい!!やっと載せる許可をいただきました!!ってか凄いですよね?凄いと思いません?私はもうきゃーきゃー良いながら読んでましたね。あはは。とにかく叫ばずにはいられないというような内容で私はうはうは状態でした。試験前に自分はもううはうはしっぱなしでしたね。あはは。
彼女は私と話の構成の仕方、書き方が似ているため、すっごく読みやすかったですし、共感できる部分はすっごく多かったです。私のためとはまぁーあえて言いませんがもっといっぱいドリーム書いてほしいなーなんてわがまま言っちゃ駄目?(阿呆)
友情出演の伽弥乃様がすっごくおもしろくて私は好きです。本人もこういう性格さんなんでしょうかね?
本当にどうもありがとうございました。お礼の英士ドリームは全然駄目駄目ですいませんでした(泣)短いし変だし。本当にすいませんです。本当にありがとうでした!

俊宇 光