不破ドリーム「変わった日…」
 

 …私、 は、不破 大地が好きである…。

 

 

不破 大地とは、我が2年C組のクラスメート。
そして、我が校、桜上水中学校きっての天才児にして問題児である。

通称クラッシャー。
人のプライドをことごとく壊す奴。
しかも無意識。

他に特徴をあげるならば、なんでも自分が納得しないと気が済まないところだろうか…。
かなりの考察家、であると思われる…。

何故私はこんな奴が好きなのだろう…。

おもしろい奴、とは思うけれど…。

…。
……はっ!?

今自分、不破を考察した言い方をしていたよ!?
…いけない…あいつの癖が移っている…。
むむ…恐るべし、不破 大地…。

 

 

…気を取り直して…。
私とあいつとの出会いはサッカー部。
友達の有希に誘われて入った女子サッカー部で、知り合ったのだ。
クラスも同じこともあってか、よく話すようになっていた。
サッカー部キャプテンの水野くんでさえも、私に不破への用事を頼むほどである。

なぜそんなに、みんな怯えるのだろう…。
話せばおもしろいのに。

私達の仲は、ただの友達?である。
同じ部活でクラスメート。
付き合ってるんじゃないの?って聞かれることもあるけど、そうではなくて…。

そう、ただそれだけの関係…。

でも、それでもいいかなーって…
思っていた…。

そう、あの日、あいつにあんなことを聞かれるまでは…。

 

 

変わった日…

 

 


ふと不破に名前を呼ばれる。
「?何?」
プリントに向かっていた私はふと、顔を上げた。
「話があるんだが…」
「あー放課後でもいい?部活の後。今私これやんなきゃいけないから」
そう、彼の言葉を遮ってプリントを見せる。
今日の昼休みまでの提出のプリントだ。

今のあんたの話を聞いてたら、終わらないことは確実だろう…。
だって、あんたの話って大抵長いんだもん…。

「分かった…」
それだけ言うと、彼は自分の席へと戻っていった。
「ふぅー」
ふと息を吐いてプリントに取り掛かる。

「よく、不破なんかと話ができるね?」
クラスの女子が話しかけてきた。
「べつにー、平気だよ?」
プリントに向かいながら返事をする。

みんなこうやって怖がるけど、べつに普通の奴だけどなー。
ちょっと変わってるだけでね…。(ちょっとどこじゃないけど…)

 

そして、放課後…。

 

私は、あいつの話を聞いて、後悔することになる…。
あいつの話は…

 

「好きという気持ちとは、どんなものだ…」

 

…は?

「え?」
今、私絶対変な顔してそう…。

「だから好きという気持ちは…」
「あーあーいい、繰り返さなくていい。質問は分かった…」

…もしかして…誰かを好きになった、とかっていうおちですか?
怖いけれど…聞いてみますか…?

「なんで…いきなりそんなこと聞くのよ…」

あー聞いちゃった…。
平然を装って聞いたつもりだけど、どうだろう…。

「…」
あれ?答えない…。どして?

「…不破?」
不安になって、彼の名前を呼んでみる。

「…知らない女に好きだと言われた…」

…は?
……なんですと?

「…えーーーーーーー」
私は机を叩いて立ち上がる。

何か?
知らない女の子に好きだと言われたから、好きという気持ちは何か?って?
そう言いたいのかい?

「あんたなんて答えたのよ!」
すっごい勢いで問い質す。
不破は驚いた表情をした後、すぐに戻り喋ってくれた。
「答える前に走って逃げられた…」

…さいですか…。

「…不破はその子のこと好きなの…?」
いちお冷静になって聞いてみる。

普通の顔で喋れてるかな…。

「…だから好きという気持ちが分からんと言っている」

そうでした…。

「うーん」
私は唸りながら席に座る。

「好きという気持ちはなんだ?」

…それを私に聞くかー?

…はぁー。
こうなった不破は納得するまで引かないからなー。

「…うーんなんだろう…。
 ドキドキしたり、顔が暑くなったり?」
なんだか自問自答な言い方…。

私の頭の中では、少女漫画が繰り広げられている。

「ドキドキ?」
カタコトで言わないで…。
「心拍が早いことの表現。あとは緊張したり?」
「なるほど」

こういうところから説明しなきゃ駄目ですか?

「まぁー他には…話ができたりなんかすると、凄く嬉しくなったり?とかかな…」

ちなみにこれは女の子の場合だ…。
男の子の場合は違うかもね…。まぁーいーや(いいのか)

「なるほど…」
そのまま不破は考察モードに入ってしまう。
「…今までそういう気持ちになったことある?
 告白してくれた女の子にそう思った?」

そう思ったなら私の勝ち目はなし。
失恋決定よね…。

 

 

「…そういう気持ちならおまえの前だとしょっちゅうだな」

 

 

…は?

今なんて言った?
…私の前だと…そう言う気持ちになる…?
…ねぇーそれって…

 

「…あ…あんたそれって…」
あわあわ…。

「…そうか、これが好きという気持ちなのだな」
ぽんっと左手に右手を乗せる。

考察終了。
納得したらしい…。

ってか…あれ?

「…あ…あの」
「よって、俺はおまえが好きということになる」
結論…。

「…ぷっ…くくく…あはははははは」
私は思わず笑い出してしまった。

だって、何この告白…。
かなり理論めいてない?
なんか、数学の証明みたい。

「何故そこで笑う」
彼は不思議そうな表情を浮かべる。
「だって…くく」

あんたらしい告白だよ。

これじゃ、私がしっかりしなきゃ駄目だよね、きっと…。
それなら…

 

 

 

 

「!?」

私は不破にキスをした。
そして…

「私も大地が好きだよ」

唇を離して言った最初の言葉。

名前も呼んでみたり…。

「…さーて。疑問も解決できたし、帰ろうよ、大地」
彼から顔を離し、鞄を持ってドアに向かう。

「…」
彼は黙ったままだ。

びっくりさせすぎちゃったかな…。

「…大地?」
ふと彼の名を呼んでみる。

「…あー帰ろう、

…あ…名前呼ばれた…。

そうか。呼ぶかどうか悩んでたんだな…。

「…うん」
私は笑顔を浮かべて、教室を出る…。

その後ろで、大地が笑みを浮かべていたことを、私は知らない…。

 

 

…私、 は、不破 大地が好きである…。

不破 大地とは、我が2年C組のクラスメート。
そして、我が校、桜上水中学校きっての天才児にして問題児。

通称クラッシャー。
人のプライドをことごとく壊す奴。

他に特徴をあげるならば、なんでも自分が納得しないと気が済まないところ。
かなりの考察家。

でも私は、そんな大地が好き…。
そんなあなただから好きなのよね…。

 

同じ部活でクラスメート。
ただそれだけの関係から、恋人へ…

 

変わった日…。

 

2002年4月16日 Fin


escape10秒前

ども、少々お久かな?俊宇 光です。
今回キリバンの作品を仕上げるということを初めてしました。今回のリクエストは10ヒットの霽月蓮 離流様へのドリームです。うわおそ!?今やもう1100だったしね。あわあわ。リクエストは不破くんということで…。最初焦りました…。不破くんなんて書けるのか!?みたいな…。焦った焦った。なんとか話をその場で考えて、書いてみたものの、何故かギャグへ…。思いっきりギャグです…。甘くねーよ。あああああだって不破くんじゃ甘くならないし。甘い不破くんなんて想像できないよう。ああああなんか、絶対最悪だよ…。ごめんない。ごめんなさい離流さん(泣)

 

不破「おまえはこんなものを離流にやるつもりなのか…」
ぎゃっ!?不破くん。
不破「まったく。文章力が欠片もないな、この文章は」
ガチョーン!!ああああさすがクラッシャー私の心は壊れたわ…。くすん。
不破「それぐらいで壊れるようなやわじゃないだろおまえは」
ぐは!!さらに改心の一撃…うううう(吐血)
不破「…、悪いな、こんな作品を読ませて。まぁー暇だったら裏の掲示板かメールで感想を述べてやってくれ」
…お願いします。

 

うう俺はもう駄目だ…おまえは先に行け…ぐは!!(吐血)