Double LOVE 前編 「ふにゃ!?」 「…またですか」 私、 はよくこける…。 まぁーこれにはちゃんと理由があって…。 私は小さい頃からの、眼鏡生活。 「あんた、いつか大怪我するよ?」 「あ…」 「渋沢くん、みかみんやっほー」 「…てめぇーみかみんって呼ぶな!」 「てめぇーなー」 あ!そうそう、は渋沢くんの彼女なのだ。 「ほっほっほ。授業に遅れるから。じゃーねー、みっかみ〜ん。ばいばい、渋沢くん」 …。 「…―――…」 …痛い…。 がため息をつきながらしゃがみこむ。 「…あ!…あいつまたこけやがった」 そんな会話をしていたことを、私は知らない。 ある日の放課後− 「ねー―髪の毛いじらせて」 私の髪の毛は背中の真ん中くらいまである長さ。 でも… 「むしろ、私にあんたの髪をいじらせろ」 そう、のがもっと長い。腰まであるし…。 「いやだー。私がいじるのー」 さぁー追いかけっこの始まり…。 私達は、もうまばらにしか生徒が残っていない校舎を駆けずりまわる。 これを暇つぶしにしたなー―…。 「はぁーはぁー」 見失った…。 「はぁー髪の毛うざい」 ゴムは取られたまま…。 「…くっそー。見つけたら容赦しないんだからー」 すると… 「あれ?か?」 私は今の声に反応して振り返る。 「きゃっ!?」 「!!」 「…いっ…たーーーー」 私は、呼ばれたときに振り返ると同時に足を滑らせ、上っていた階段から落ちたのだ。 …そういえば、私を呼んだ人…。 「いっつー。おい、大丈夫か?」 「…み!?三上くん!!」 どうやら、落ちた瞬間、三上くんが助けてくれたらしい。 「あ!大丈夫!?どこか怪我とかしなかった!?」 どうしよう…。 「あー俺は平気だ。おまえこそ大丈夫か?」 そう、今更ながらに眼鏡がないことに気付いた…。 「…え?…あ!…あそこにある…。けど…」 実は私、何も見えていなかったりする…。 「…これじゃーもう使えねーだろうな、スペアあるか?」 見るも無残な姿だ…。 「それまでは見えねーか…。ほら」 あの、手を繋いだままなんですけど…。 「…今のままじゃ危なっかしくてしょうがねーんだよ」 …心配して、くれてるんだね…。 ありがとう…。 あなたの後ろで、思わず笑みを零してしまったのは、秘密。 2002年4月30日、5月7日、8日、12日 前編 Fin
ちょっとだけなんで5秒です。今回前後編話です。後編は渋沢さんドリームです。渋沢さんでばりすぎたが故に、こんな話に…。愛ですね愛でしょう。ああああ。いちお三上ドリームでもあります。渋沢さんドリームで読みたいならば、友達の名前に自分の名前を入れましょう。その際にクッキーの方はなおしましょうね。同じ人が二人になるからね。では後編で会いましょう。さらば!!(逃走) 今まで一番肝心な部分が抜けてました…。あああ馬鹿だ自分気付よ…。2002年7月7日
私は思いっきりこける。
友達のが、しゃがんでこけた私を見てきた。
「ふにゃー痛い…」
起き上がると、ぶっけたとこをさすった。
「…まったく…今日で何回目よ…」
は呆れながら立ち上がる。
「…3回目です…」
もう泣きそう。
さすがに何もないところでよくこけるほど情けなくはないが、段差や階段では必ず、と言っていいほどこける…。
砂利道なんて歩けない…。
とにかくよくこけるのだ。
プールの授業以外は外したことがない。(プールもあんまり入らないけど)
よく、目の悪い人、眼鏡をかけた人はこけやすいと言うけれど、私はそれの典型的…。
おまけにドジもプラスされるし。
そう私に手を差し伸べながら言ってくる。
「ははは…」
思わず苦笑い…。
ってか笑えないわね。
私が立ち上がったと同時に、が声を上げる。
「え?」
が向いた方を向くと、そこには…
そこには、我が校サッカー部のキャプテン渋沢 克朗くんと、10番司令塔を勤める、三上 亮くんがいた。
「…次は移動なのか?」
渋沢くんがに話しかける。
「うんそう」
にっこり笑顔。
三上くんがに突っかかる。
「ほっほっほ。何のことかしら、みっかみん」
思いっきり嫌味込めて言ってるでしょう…。
「落ち着け三上」
渋沢くんが止めに入った。
「止めるな渋沢。いくらおまえの彼女でも許さん」
そう言って、今にも殴りかかりそうな勢い。
そう言っては、二人の横を通り過ぎる。
「あ!待ってよ!あ!じゃ」
私は二人に軽く挨拶をして、を追った。
「てめぇー!」
後ろから三上くんの怒る声が聞こえる。
「ほっほっほ」
は笑いながら廊下を歩いていた。
「もう…―三上くんからかうのやめなよー。いつか倍返しされるよー」
私はに追いついて、話しかける。
「へっ!できるものならしてみろってんだ。3倍返しにしてくれるわー」
私は3倍返しの女よーなんて言う。
「もーう…きゃっ!?」
またこけたわ…。あうー。
あちゃーって顔で三上くんが言い出す。
「一日に5回はこけるとに聞いていたが…」
苦笑しながら言う渋沢くん。
「ったくー危なっかしー奴だよ…」
ほっとけねーじゃねーか…なんて、小声で言い出す三上くん。
「…くっくっ…あの三上がなー」
いきなり笑い出す。
「なんだよ」
「いーや」
放課後、渋沢くんを待っていると言ったに付き合って、教室に残っていた私に、いきなり言い出したの言葉。
「…は?」
唐突過ぎて、間抜けな声を上げてしまう。
「暇だからいじらせてよー」
結構長い部類である。
そう言って私の髪の毛を結んでいたゴムを取った。
「あーちょっとー」
私は立ち上がってからゴムを取ろうとする。
「!へっへーんこっちだよー」
何かおもしろいことを思いついたような顔をして、私から逃げた。
「もう、ちょっと待ってよ!」
私はを追いかけ始める。
あの子逃げるのだけは早いのよね…。
下ろしたままの髪の毛で走っていたのでばさばさだ。
そう言いながら、おぼつかない足で階段を上る。
え?この声…
すると…
落ちた…。
見事に綺麗に上から落ちた。(ゴロがいい…)
私の下から声…。
私は慌てて、三上くんの上からどく。
もし足になんて怪我させてたら…。
私の頭にぽんっと手を置いて、落ち着かせるように言ってくれる三上くん。
「…うん…大丈夫…ありがとう…あ!」
なんだか泣きそうになって、目元を抑えようとした瞬間、あることに気付いた…。
「どうした?」
私の反応を不思議に思ったのか、聞き返してきた。
「…眼鏡…」
きっと、落ちた時に落としたのだろう。
三上くんが立ち上がり、眼鏡があると思われる場所に歩いていく。
「あった?」
眼鏡外すと何も見えないのよね…。
そう言いながら手渡してくれた。
「うわー。…寮にあるけど…」
かなり高い所から落ちたんだろーなー。
そう言いながら私に手を差し伸べてくれる。
「あ…ありがとう」
私はぼんやりした視界の中、彼の手を取り立ち上がる。
「荷物教室だろう?」
「うん」
そうだ…。
荷物全部教室に置いたままだ。
「ほら行くぞ」
そう言って、私の手を引いて歩き出す。
「あ!…ちょっ…三上くん」
そう言って、ずんずんと先を歩く。
escape5秒前