三上ドリーム「055 やっと。」
 

055 やっと。

 

やっと、見つけた奴だから…。
手放す気なんか、ねーんだよ…。

「…か…み?…みか…み?」
あ?うるせーな、誰だよ、この俺様の安眠を妨害する奴は。
「三上?三上!!!」
この声は…俊宇か?
なら無視…。

「もう、三上ってば!!」

あ?静かになったとこみると、あきらめたか?

そう思って、再度寝る体制に入ろうとした瞬間…

 

 

 

「どわっ!!!!」
俺は、がばっと起き上がるはめになる。
「ふふーん。お・は・よ・う。三上くん」
にっこり笑顔の俊宇が目の前…。
「このやろう…」
俺は今にも殴りたい衝動を抑える。
おまえ、女だったことに感謝するんだな。

「さっさと起きないあんたが悪い」
だからって普通、人の首筋触って起こすか?
「ったく。なんの用だよ」
俺はふてくされながら、再度寝ようとする。
「寝るな!あんた部活でしょ?が忙しいっていうから、この私が呼びに来てあげたのよ。感謝しなさい?」
なんて偉そうに言い出す。
「ったく、余計なお世話だっつの」
なんでもこんな奴に頼むんだよ。

「そうだ!そういや前々からあんたには、言っときたいことがあったのよね」
そう改まって言い出す俊宇。
「あ?なんだよいきなり」
俺は眠い目をこすりながら、話半分で聞き始めた。

「浮気は男の甲斐性である」
そういきなり、人差し指をたてて言い出す俊宇。
何を言い出すかと思えば…。

「…そ、それがなんだよ」
浮気という言葉に、少なからず抵抗を覚える俺。
「と、どこかで聞いたが、まぁーたしかにそうかもしれないねー、浮気常習犯の三上くん」
恨めしそうな顔で俺を見るな。
「それは過去の話だろうが!今はしてねーよ」
俊宇と目を合わせていられなくて、思わず視線を反らした。
「たしかに、過去の話かもしれないが、私が知っている限りでも、30人近い女を泣かしてるねー。あんたは」
いったいどこで調べたんだよ、そんなの。
俺でさえも覚えてねーのに。
「私の情報収集能力にかかれば、こんなの朝飯前だよ、三上少年」
てめぇーは俺の心を読んでんのかよ…。
「まぁー、そんなことはどうでもいいのだよ」
なら話を反らすなよ。
「つまりだ、男の甲斐性と言うからには、浮気をしない男は、甲斐性なしだと言われるような感じになるわけだ。が、しかしだねー三上くん」
迫ってくるな、俊宇。
「浮気は男にとって甲斐性かもしれないけど、女にとっては裏切りだよ?」

 

 

 

 

…う…。

「そこんとこ、お忘れのないように、お願いしますね」
にっこり笑顔で去るな。
のこと、泣かせたら承知しないからね」
そう言うと、あいつは教室を出て行った。

あいつを彼女に持ってる渋沢を同情した瞬間でもあったが。
あーあいつは渋沢の前じゃ態度違うんだっけ。

「はぁー」
ため息しかでねー。

だけどな…
「けっ、誰が泣かせるかよ…」

やっと見つけた奴なんだ。
やっと見つけた、俺の場所だから…。

「亮?」
俊宇と入れ違いで、が入ってくる。
…」
俺は鞄を取って、部活へ行こうとした瞬間だったため、少しびっくりする。

「もう、いつまでさぼってる気?渋沢くんが怒ってるよ?」
は腰に手をあてて、そう言い出す。
「あいつなんか勝手に怒らせとけ」
そう言いながらに近づく。
「そうもいかないでしょうが!あとでメニュー増やされても知らないから…ね?…亮?」
俺はの肩にもたれかかった。

「どしたの?」
は不思議そうに、俺の頭を撫でた。
「なんでもねーよ」
そう言うと、俺はから離れ、先に教室を出た。

やっと見つけた奴だから…。
やっと見つけた、俺の場所だから…。

手放す気なんか…ねーんだよ…。

 

2003年2月12日 Fin


escape5秒前

わっはっはっは(いきなり笑うな)意味不明に付け加えて光さん台詞がくさいです。そして出張りすぎです。ヒロインさんが全然出てこないし。本当は最初はまったく出てこない予定でしたし。さすがにそれじゃまずいわなーっと思い、最後は出したわけですが。しかしねーなんというか。これは私が「浮気は男の甲斐性である」っとどっかで聞いたことを思い出し、じゃー女にとってはと考えて速攻で出来上がった話です。浮気は女にとって裏切りですよね?私は経験ないから分からないんですけどね。とりあえず連想した結果がこうなりましたため、一番浮気経験の多そうな三上氏にお願いした次第です。題名にかけまして、ヒロインさんを大事にしていただきました。わー最短記録だ!!もっと短いの目指してファイト!そういえばこれに自分でタイトルをつけるなら、「浮気」ですねー。あはは。1周年記念用ドリーム第6弾でした。