「猫のような男と暮らしている。」(ゴークリ)
 

10月1日 第1回目 「猫のような男と暮らしている。」(ゴークリ(のつもり))

 

私は今、猫のような男と暮らしている。

暮らしていると言うには、語弊があるだろうか…。
あいつは、突然現れて居座っては、突然どこかふらりといなくなる。
ご飯をもらいに来るだけだったり、寝床に利用するだけだったり。
突然現れては、気ままに過ごす。
そう、まるで猫のように…。

「…」
今日も今日とて、ご飯を食べると床にごろりと寝転がる。
日向ぼっこが気持ちいいのか、だらりと手足をだらしなく床に投げていた。
「…」
私は猫を、優しく撫でる。
「…なんだよ」
「…別に」
愛でるように撫でると、
「セットが崩れるだろうが」
と、私の手を払いのけた。

ほら、懐かない猫のよう。

「…首輪でもつけてやろうかしら」
「あ?」
聞き取れなかった彼が、私を見上げる。
「…なんでもないわ」

猫は、自由気ままに生きるから、きっと魅力的なのかもね…。

「…意味わかんね」
そう言って猫は、私の膝を枕代わりにする。
「……っ…分からなくていいの」
ほんとに自由気まま。

懐かないくせに甘えて、私の心をかき回す。
悔しいから、彼の目を自分の手で、塞いでやった。

さぁ眠りなさい。
私の可愛い可愛い猫…。

 

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