私は今、猫のような男と暮らしている。
暮らしていると言うには、語弊があるだろうか…。
あいつは、突然現れて居座っては、突然どこかふらりといなくなる。
ご飯をもらいに来るだけだったり、寝床に利用するだけだったり。
突然現れては、気ままに過ごす。
そう、まるで猫のように…。
「…」
今日も今日とて、ご飯を食べると床にごろりと寝転がる。
日向ぼっこが気持ちいいのか、だらりと手足をだらしなく床に投げていた。
「…」
私は猫を、優しく撫でる。
「…なんだよ」
「…別に」
愛でるように撫でると、
「セットが崩れるだろうが」
と、私の手を払いのけた。
ほら、懐かない猫のよう。
「…首輪でもつけてやろうかしら」
「あ?」
聞き取れなかった彼が、私を見上げる。
「…なんでもないわ」
猫は、自由気ままに生きるから、きっと魅力的なのかもね…。
「…意味わかんね」
そう言って猫は、私の膝を枕代わりにする。
「……っ…分からなくていいの」
ほんとに自由気まま。
懐かないくせに甘えて、私の心をかき回す。
悔しいから、彼の目を自分の手で、塞いでやった。
さぁ眠りなさい。
私の可愛い可愛い猫…。
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