「夢みたいで夢じゃない、夢見がちな話。」(グリブル)
 

10月5日 第5回目 「夢みたいで夢じゃない、夢見がちな話。」(グリブル)

 

あたしには夢があった。

普通の女の子みたいに、大好きな人と愛し合って、結婚すること。
誰か一人でも、こんなあたしを愛して、必要として、ずっとずっと、一緒にいることだ…。

 


「…ブルー?」
彼がそっと、あたしの頬に触れる。
「…なぁに?」
あたしは幸せそうに微笑みながら、目を開けて彼を見上げた。
「何か考えていたのか?」
あたしが物思いにふけっていたことに、彼は気づいていたのだろう。
「…うん…夢みたいで、夢じゃない、夢見がちな話を…」
あたしは再度、目を瞑る。

あたしの夢。
それは夢のようで、でも現実にもなりうる。
そんな話。
だけど、あたしにとっては、夢見がちな話だったんだ…。

でも…

「…では、誓いのキスを…」
そう言われると、
「…っ」
彼は優しく、あたしにキスをくれる。

そう、夢じゃない。

「ずっとずっと…一緒にいてね」

今日はあたしとグリーンの結婚式。
このキスから、夢みたいで、夢じゃない、夢見がちな話が、始まるの…。

 

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