「強い強いと言われ続けて、私は表面ばかり強くなった。」(グリブル)
 

10月7日 第7回目 「強い強いと言われ続けて、私は表面ばかり強くなった。」(グリブル)

 

「…姉さんは、強いんだね」
最初に言われたのは、その言葉だった。

「…ブルーは強いな」
そう言われて、苦笑されることはよくある。

「…ブルーさんは、すごく強いんですね」
尊敬と羨望の眼差しを送られることも、よくあった。

あたしは、強い強いと言われ続けて、周りから見る、あたしの表面ばかりが、強くなった、だけな気がする…。

あたしが強い…。
あたしが強い?

何に強いんだろう…。

みんなはあたしの表面に、何に強い仮面をかぶせたいんだろう…。

あたしは何に強くなきゃいけないの?
あたしは何に強くあるべきなの?

あたしは強いの?

あたしは…

 

あたしは……

 

 

 


あたしはこんなにも…弱いのに…。


「…ブルー?」
優しくあたしを撫でてくれる彼に、あたしはぎゅっと抱きつく。
「…グリーン…っ」
苦しげに、弱弱しく彼の名を呼び、ぎゅっと、胸に顔をうずめた。
「どうした?」
彼は優しく、あたしの頭を撫でながら、抱きしめて返してくれる。

あぁ…あぁ……

ここが、あたしの場所…。

 

あたしと彼との出会い。
それは…

「…おまえ、そんな仮面ばっかりかぶってて、疲れないのか?」

その一言だったんだ…。


 


うちのグリブルはこういう出会いだったらいい的な話。姉さんはこの一言に、本当の自分を見つけてもらえたと思ったんです。兄さんは深い意味で言ってないですけどね(笑)

 

ブラウザのバックでお戻りください。