「神様って本当にいるのかな？」（グリブルのシルブル）

１０月１４日　第９回目　「神様って本当にいるのかな？」（グリブルのシルブル）

「シルバー」
「何？姉さん」

動かしていた手を止めて、顔をあげる

「神様って本当にいるのかな？」

「…え？」
「だから、神様は本当にいるのかなって」

…まさか

「姉さん、またあいつに何かされたのっ？」
「違う違うっ、グリーンとは関係ない話よ」

微笑しながら手を振る姿を見て少し気を抜く
いつも予想もしないようなことを突然言い出すよな、姉さんは…

「…あのこと？」
「…ええ」
「…」
「もしも神様がいるんだったら、もう少し平等に扱ってくれてもいいのにね」

はぁ、と溜め息を漏らす

「…でも、それなりによかったこともあるし…いいことだったとは言えないけど、俺はそれでいろんなものを得られたから…」

姉さんはもごりながら話す俺に少し驚いた顔をしたけど、また優しく微笑んでくれた

「そうね、悪いことばかりじゃないわよね」

そんな明るい口調に、つられて笑った

「でも惜しかったなぁ、あのワンピース」

「……え…？」
「だから、さっきのバーゲンで売ってたワンピースよ！あの時に、もう少し早く手を伸ばしてれば…」
「…」

本当に全く予想しないようなことを言うよ、姉さんは…

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