「えっと…ごめんなさい」
「…」
再び流れる沈黙
さっきから何を言っても黙ってしまう
数十分前、色違いのヒメグマを見かけた
いつもの如く捕獲で頭がいっぱいになった私は、背後から襲いかかって来たリングマに気がつかなかった
その時たまたまゴールドが追いかけてきていたために間一髪で助けてもらえたが、もしもゴールドがいなかったら私はどうなっていたか分からない
たぶんそのことを怒っているのだろう
いつもだったら怒鳴る勢いで怒ってくるのに、今回は違う
ずっと一点を見つめながら黙り込んでいて、らしくない静けさが逆に怖い
確かにこうなってしまったのは私のせいだけど…
「…お前さ」
やっと重々しく口を開く
「…はい」
「捕獲に夢中になるのはいいけどよ、自分の身の安全くらい考えたらどうなんだよ」
「…はい」
「確かにお前は捕獲においてはスペシャリストって言われるくらいすげぇけど、バトルの腕はあんまりだろ?」
「…はい」
「あの時、もし俺の対処が遅れてたら命に関わってたかもしんねぇんだぞ!?」
ゴールドが私の方を向いて怒鳴った
「俺の身にもなってみろよ!」
「…ごめんなさい」
ただ謝ることしかできない
今回は私に負があるし、気付かなかったけど、何よりゴールドにここまで心配をかけさせてしまったことが申し訳なかった
…まさかそんなに心配してくれているとは思わなかった
「…本当にごめんなさい…」
「ったく…心配で俺の心のが保たねぇよ」
「…ごめんなさ」
「でも」
いつものように明るくニカっと笑った
「お前が無事でよかった」
「…!」
心配かけてごめんなさい
それと、心配してくれてありがとう
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