「馬鹿め、殺したいほどの憎悪が愛に変わるわけがないだろう。」(ワタシェリ)
 

10月18日 第18回目 「馬鹿め、殺したいほどの憎悪が愛に変わるわけがないだろう。」(ワタシェリ)

 

 

 

この物語は、ポケットモンスタースペシャルに出てくる、「ワタル」という人物と、
俊宇 光と○犬様とで考えた独自のキャラクター「シェリス」という人物との
物語になっております。ぶっちゃけなんでこの二人が出会ったのかとか、彼女は
いったい何者なのかといったような描写は一切描かれておりませんし、
過去の作品のどこにも、彼女に関する記述、彼との関係性は描かれて
おりませんし、そういった作品を載せたこともありません。

つまり、若干名以外読んでもさっぱりわからない話です。

 

それでもいいと思われる方のみお読みください。
なお、読んでからの苦情は受け付けません。

あたしのワタルはこんなんじゃない!!!とか、
ワタルに勝手に相手役を作るな!!とか受け付けません!
ちなみに、レイエ←ワタル←シェリスって感じです。

 

また、この二人の関係性や、出会いや性格容姿などなど、
詳しいことを聞きたい方、ほかの作品にも興味があるって方は
ご一報ください。詳しい資料と、今まで書き溜めた
小説をお付けして送信させていただきます。

 

さて、本当にいいんですね?
完全オリジナルキャラクターです。

覚悟はできましたか?

 

 

苦情は受け付けません。

受け付けませんから!!!(くどい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「はっ!ありえんな」
そう言ってワタルは、寝転んで読んでいた本を、床に投げ捨てた。
「…は?なんの話?」
私は彼を振り返る。
「…殺したいほどの憎悪が、愛に変わるわけがないんだ」
彼は寝転がったまま、だるそうにそう答えた。
「…何の話なのよぉ、それ…」
私は床に投げ出された本を拾い上げ、彼が寝転がるベッドに座る。

本の中身は小説だ。
ぱらりとめくっただけでは、内容まではよく分からない。

「…その本の内容だ。殺したいほどの憎悪を抱いた相手を愛す、馬鹿な男の話だ。三流小説もいいところの三流だな」
四流や五流という表現があるなら使ってやりたい。と彼はぼやく。
「っていうか、ワタルってこんな本も読むのね」

いつも、小難しいポケモンの、生体理論的な本を読んでいるのは見かけていたが、こんな小説も読むんだなぁ。

「…道ばたに落ちてた」
「なんでも拾ってこないの!」

彼はなんでか、使えそうなものを片っ端から拾ってくる。
私をここに置いてくれるようになったのだって、迷い込んだ猫が居着いたのを、気にもせずに餌を与え続けているようなものだ。
よく言えば器量がでかいのかもしれないが、悪く言えばただの変わり者だ。

「…まぁ、捨てておけ」
そう言って、彼はごろりと寝返る。
「……殺したいほどの憎悪を抱いた相手を愛す、馬鹿な男の話…ね…」
私は、小説をぱらぱらとめくった。

表紙はもうぼろぼろだ。
所々折れたりしみができていたりと、かなり長年読まれていた本だと感じさせる。

「そんなのはありえん話だ」
ありえないからこそ、小説という2次元の物語になり得るのかもしれないけれど、
「ありえないかしら…」
私はそう呟く。
「ありえないだろう」
彼は、さも当然かのようにそう言い放ち、私を見上げた。
「そんなことないと思うけどね」
私は、彼を見下ろす。
「…なんでだ」
彼は顔をしかめた。
「殺したいほど愛してる、って良く言うじゃない?」
私は妖艶に微笑む。
「それは言葉の綾だろ?」

それほどに執着しているという意味を、表現しているにすぎない。
本当に、殺すつもりで言ってるわけではないことくらい、分かるけれど。

「でも、手に入らないのなら、いっそ私の手で殺して…」
私はそう言いながら、彼の首に手をまわした。

私の長い黒髪が、彼の頬に、胸に流れ落ちて行く。
黒が、彼に浸食していく気がして、少しぞくりとした。

人は、自分のものにならないのなら、いっそ自分の手で殺してしまった方が、誰のものにもならない分、ましではないかと考えることもあるかもしれない。
たとえそれで、決して自分のものにもなり得ないのだとしても。
そう考える人が、100%いないとは言い切れないと、私は思う。

「……」
彼は何も言わず、私を見上げた。
「…なんて、思うことだってあるかもしれないじゃない?」
私は手を離さないまま、妖艶に微笑む。
「それこそ馬鹿だな」
殺したらすべて失われるんだ。
彼はそう呟いた。

そこにあったものが、失ってしまうことを、誰よりも恐れるあなた。

「…そうかもしれないわね」
人の欲とは所詮、馬鹿なものだ。
「…いい加減離せ」
「…嫌」
「離せ」
彼が私を睨む。

ぞくりと震えるほどの恐怖感。
でも私は離さないわ。
決して、手に力を入れることも、ないのだけれど。

「嫌」
私はそう言い切った。
「…はぁ」
彼はあきれたように息を吐く。
「というかおまえ、それでは愛が憎悪に変わってるんじゃないか。この話は、殺したいほどの憎悪が愛に変わるって話だ」
根本をひっくり返すな。
と彼はあきれた。
「…あ、そっか」

殺したいほど愛してる、も、手に入らないなら殺してしまおう、も、結局は愛からくる憎悪でしかない。
じゃあ憎悪からくる愛とは…。

「…ほんとに馬鹿だな」
彼は再度、大きく息を吐いた。
「…でも、やっぱり、憎悪も愛になるかもしれないわ」
私はゆっくりと手を離す。
「まだ言うか」
彼は眉間にしわを寄せて、私を見上げた。
「世の中に絶対はありえないもの。十人十色というくらい、世界中の誰かには、その原理が成り立つかもしれないじゃない?」
私は優しく、彼の頬に触れる。
「……もうどうでもいい」
彼は、疲れたように目を伏せた。
「…それに、殺したいほどの憎悪って、その人のことをずーっとずーっと考えてる気がするの。それって、恋愛も同じじゃない?その人のことを、ずっとずっと、想い続ける恋愛と…」
「…」
彼はもう、それ以上何も答えなかった。
「…きっと、憎悪と愛は、紙一重なんだわ…」
私はそう囁くと、彼に優しく、そして甘い、甘いキスを落とした。

 

 


いやまぁなんていうか、ワタシェリの日常を描きたかっただけです。この二人は毎度こんな感じ(笑)無駄に長くなりました。

 

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