「グリーンの浮気者!!!」
あたしは彼にそう叫ぶ。
「はぁ!?俺がいつ浮気した!?」
彼も負けずと言い返してきた。
「昨日!イエローと一緒に歩いてたでしょ!!」
「それで浮気か!?」
心狭すぎだろ!!!とレッドにも良く突っ込まれるが、相手がイエローでは話が別だ。
「前々から怪しいと思ってたんだけどさぁ」
「なんだ前々からって。何もないっ」
イエローはグリーンの弟子でもあるから、関係性が他の女の子よりも深い。
バトルの話はあたしなんかよりよっぽどできるし、それこそあたしといるよりも、イエローといた方が楽しいんじゃないかと思うときも、たまにある。
つまり、疑うべき要素はいっぱいあるのだっ!
「でも一緒に歩いてたじゃない!」
「あれは向かう場所が一緒だったんだ!スーパーに買い物に行っただけで、知り合いが同じ道歩いてて、目的地も一緒なのに、別々に歩いてたらなんだか不自然じゃないか!」
と、彼はもっともらしい言い訳をする。
「そうだけどっ!でもなんか…うぅう…浮気者!!!」
でもイエローとだけはいや!!
「はぁ。あいつとへの感情は友情であって、恋情ではない」
「でもなんかすっごく仲いいじゃない!!」
浮気だって思うほどに。
「…それはあくまで、友情の範囲内だ」
「男と女の友情ってありえるの?」
そもそもそこから問題だ。
「俺には今ありえてるんだ」
「何よそれぇ」
あなたの中のマイルール?
「…はぁ。友情はあくまで友情だ。それを極めたところで恋情にはなりえない。恋情を薄めても友情にはならないようにな…」
彼は呆れたようにため息を吐いた。
「意味わかんないし」
なんなのよ、その例え。
「つまり、友情の好きの度合いをいくら高めても、それが恋情の好きにはなりえんということだ」
「わからないじゃない」
人の心は時として移り行く。
友達が言ってた。彼氏だった人と別れた理由は、その人を友達としか見れなくなったからだって。
恋情が薄くなったら友情になるのよ。
「わかるよ」
「わかんないっ!」
「俺はそうなんだ」
と彼は言い切る。
またマイルール?
彼だって人間だ。
今の年齢で、自分のことをどれだけ理解してるかなんてわからない。
それなのに、100%気持ちが変わらないなんて、どうして言い切れるんだろう。
「…なんでそんな言い切れるのよ」
「…恋情として好きになるのは、お前だけで十分だからな」
「え…」
そう言って彼は、資料を探しに部屋を出ていった。
「えぇええええええええ!?」
ええええ!?って叫んだ人はしてやったり(え)
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