１０月２８日　第１８回目　「きっと認めてくれるから」（グリブルのシルブル）

「きっと認めてくれるから」         そう言って姉さんは俺の頭を撫でてきた …これまでにないくらい幸せな笑顔で     「姉さんがそう言うなら…」 でも、本当は不安だった 心配でたまらなくて、思わず伸ばしてしまいそうになった手を抑えた   もう、姉さんには傷付いてほしくないから これまでに言い表せないほどの苦痛を味わった姉さんだから そんな姉さんを優しく受け入れてくれる人なら 姉さんの笑顔を守ってくれる人なら誰でもよかった   でも、いつもあいつは姉さんを悲しませるから その綺麗な青の瞳を濡らすから それがあいつへの愛故なのだと分かっていても 姉さんのことを一番理解してくれている人だと知ってても どうしても信用しきれないんだ     「ありがとう、シルバー」     でも、本当にこの結果が姉さんの心からの笑顔に繋がるのだとしたら 姉さんが少しも後悔しないような未来を作れるのなら 俺はあいつのことを心から尊敬しよう それは俺にはできなかったことを成し遂げたということだから 姉さんに本当の幸せを感じさせてくれた証拠だから だから       「うん、いってらっしゃい」     俺は不安を追いやって、あいつのところへ優しく送り出してやるんだ

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