「信じた自分が馬鹿だったと、気休めを口にしてみる。」(グリブル)
 

10月30日 第30回目 「信じた自分が馬鹿だったと、気休めを口にしてみる。」(グリブル)

 

「…ずっと…ずっとそばにいてね…」
「あぁ」

そうあなたは答えるくせに、

「好き…好きよ…」
「俺も好きだ」

そうあなたは答えるくせに、


「グリーン?こないだ旅に出たけれど、ブルーちゃんは知らなかったの?」

簡単にあなたは、あたしを置いていく。


そんなとき、

「信じた自分が馬鹿だった」

と、気休めを口にしてみる。

 

信じること。
それは、あたしが一番できないこと。

信じたら、裏切られるって分かってたのに。
信じたら、傷つくのは自分だって分かってたのに…。

分かっていたのに…。


「…グリーンの馬鹿っ」
「…ごめん」

彼の抱きしめてくれるぬくもりに、あたしは墜ちていく。

「…ずっと…ずっと愛していてよっ」
「…あぁ…愛してるよ…」

彼の、囁かれる甘い言葉に、絆されていく。

 


あぁ、どうして、一番できなかったことが、こんなことで、こうも簡単にできてしまうんだろう。

「好きよ、好きよ、大好きよ」

 

 


「好きだ」


その言葉は、その行動は、まるであたしの心の鎖を壊す、甘い、甘い魔法…。


 

 


間の言葉はナナミさんですよ。

 

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