「訳わかんなくなるくらい好きになった」(グリブル)
 

1月1日 第44回目 「訳わかんなくなるくらい好きになった」(グリブル)

 

「グ、グリーン!?」
まず、いきなり訪れたことにびっくりした。

「ど、どうしたの?」
そして、いきなり抱きつかれたことに、心底驚いた。

「……」
彼は黙ったまま、ただあたしを力強く抱きしめる。

苦しいようで、痛くはない力加減。
吐息が聞こえる距離。
心臓の音が、リアルに伝わる距離。
ちょっと気恥ずかしくて、暖かい、そんな感じ。

「…どうしたの?なんかあったの?」
グリーンがあたしに抱きつくなんて、ただごとではないんじゃないのか?

 

 

 

 

 

「わからん」
「は?」
なんですと?
「…なんか無償に抱きしめに来たくなった」
「はぁ?」
なんだその理由。
「なんだろう…」
「聞かないでよ!?聞きたいのはこっちだよ!訳わかんないし!?」
何がしたいの!?
「訳わかんなくなるくらい好きになった」

 

 

 

 

 

 

「…え…」
今なんと?

「気がする」
「どっちよ!!!」
あたしのトキメキを返して!!

 


兄さんはこうやって訳の分からない自覚をする気がする…。

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