「あー……愛されてるって感じ」(グリブル)
 

1月8日 第45回目 「あー……愛されてるって感じ」(グリブル)

 

「グリーンっ!!」
「うわっ!?」

いつものごとく、何の前触れもなくやってくる彼女。
そして、いつものごとく、何の前触れもなく抱きついてくる彼女。
倒れそうになるのに耐えて、彼女を支えるのも、慣れっ子になってしまっていた。

「えへぇ、大好きぃ」
彼女は、ぎゅううと俺に抱きつき、胸に顔をうずめて幸せそうに愛を囁く。
「…っ」
どうしてこいつは毎回毎回…。
「…好き…大好き」

それにしても、本当に幸せそうな顔をするなぁと思う。
俺に抱きついたくらいで、何を感じると言うんだろう。
そんな幸せそうな顔をさせてやるほどの効力が、あるとは俺には思えないんだけどな。

「…はぁ」
そう思いながら、俺は仕方なく彼女を優しく抱きしめる。
少しでも、その幸せそうな顔を、自分がさせてるのだと思いたくて。
「…っ…あー……愛されてるって感じ」
触れた手に少しびくりと震えたが、しばらくすると、体の力を抜き、全身俺に預けた後、彼女はそう小さく呟いた。
「…っ」
顔が一気に火照る。

ただ、少し抱きしめ返しただけなのに、そんな本当に幸せそうな顔をされたら、自分の行動が、今更ものすごく、恥ずかしくなった。
でも、それと同時に、感じる胸の中の温かみ。

やばい、癖になりそうだ…。

そう、思った…。

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