「グリーンってさ、ぜんぜんあたしのこと好きになってくれないよねっ」
「は?」
仕事に夢中なあなたは、絶対あたしに振り向かない。
本に夢中なあなたは、決してあたしを眼中には入れない。
バトルをしてるあなたは、あたしの存在なんて、忘れてしまっているようで…。
好かれてる気がしない。
愛されてる気がしない。
付き合ってる、気がしない。
「…どんなに好きだって言っても言葉返してくれないしさ…」
言葉を言うのが嫌いなのは知ってるけれど…。
「絶対あたしに会いにきてくれないし」
だからあたしが会いに来る。
「まず、あたしが話しかけなきゃ、仕事か本にいつでも夢中だし」
だからあたしは必死に話題を探すのに、あなたはいつも生返事。
「…デートに誘っても仕事仕事でぜんぜん予定あわないし、あわしてくれないし」
毎日毎日毎日毎日ジムジムジムジム!
「ぜんぜん好かれてる気がしない!!」
なんであたしばっかり。
あたしの気持ちを受け入れて、あたしを好きになってくれたんじゃないの?
だから、付き合ってるんじゃないの?
それともあれは、あたしの勘違いで、あたしは自分の都合のいい夢を、見てるだけにすぎないのだろうか。
あたしはいまだに、片思いを、続けているのだろうか…。
「どうしたら…どうしたら好きになってくれるのよぉ…」
どうしたらいい?
どうすればいい?
あたしがわがまますぎるの?
言葉を言えないのを知っていて求めるから?
忙しいと知っていて、一緒にいたいと願うから?
だから、グリーンはあたしを必要とはしてくれないの?
愛しては、くれないの?
でも、あたしがそれを全て辞めたら、あなたはあたしを、オボエテイテクレマスカ?
「べつに、今のままでいい」
彼は振り返り、あたしを見るとそう答えて、仕事に目線を戻す。
「今のままじゃ駄目だから愛してくれないんでしょ!?」
そうやって、あたしを愛してくれないから…。
「幸せになるなら、お前とがいい」
え?
「俺は…そう、思ったから…」
それは、あたしと付き合った理由?
あたしを、好きになった理由?
そのままでいいと言ったあなた。
あたしのその全てを知ってなお、あたしだけだと、そう思ってくれたから、受け入れてくれたのだろうか…。
「今は、それだけじゃ駄目か?」
言葉を言うのが嫌いな、あなたの必死な一言。
付き合って3ヶ月目にしては、彼には十分すぎる、言葉なのかもしれない。
「…今だけだからね」
仕方ないから、それで許してあげる。
「…」
頑張る、と彼は小さく呟いた。
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