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時がたつにつれて、どんどん変わっていく彼女に、俺はいつでもどきどきなんだ。
「なんか…視線を感じる」
そりゃそうだろうな。
「私どっか変かなぁ」
変といえば、おまえの変わりようかな…。
「朝ちゃんと鏡は見てきたんだけどなぁ。ねぇ、何かついてる?」
クリスが体をひねって俺を見る。
「……いんや」
俺は直視できずに、ちょっと見ただけで視線を反らした。
「じゃあなんでかなぁ」
「可愛過ぎるんだよ、お前は」
なんて、冗談でも言ってなんかやらねぇ。
「…ねぇ、なんでだと思う?」
大人になるにつれて、どんどんかわいくなっていく彼女に、俺はいつでもどきどきなんだ。
妙にめかしこんだ格好。
薄く塗られた化粧。
どれもこれも、周りの男共を振り返らせるには、絶大の効果を持っていて…。
「しらねぇ」
俺はすたすたと先を歩き出す。
「あ、ちょっと!待ってよぉ…。何怒ってんのぉ?」
「しらねぇ!」
俺はそのまますたすたと道を歩いた。
周りの飢えた男共を睨みつけながら。
大人になって、一番キレイになるのかクリスだと思う。
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