2月2日 第54回目 「可愛過ぎるんだよ、お前は」(ゴークリ)
時がたつにつれて、どんどん変わっていく彼女に、俺はいつでもどきどきなんだ。
「なんか…視線を感じる」 そりゃそうだろうな。 「私どっか変かなぁ」 変といえば、おまえの変わりようかな…。 「朝ちゃんと鏡は見てきたんだけどなぁ。ねぇ、何かついてる?」 クリスが体をひねって俺を見る。 「……いんや」 俺は直視できずに、ちょっと見ただけで視線を反らした。 「じゃあなんでかなぁ」 「可愛過ぎるんだよ、お前は」
なんて、冗談でも言ってなんかやらねぇ。 「…ねぇ、なんでだと思う?」
大人になるにつれて、どんどんかわいくなっていく彼女に、俺はいつでもどきどきなんだ。 妙にめかしこんだ格好。 薄く塗られた化粧。 どれもこれも、周りの男共を振り返らせるには、絶大の効果を持っていて…。
「しらねぇ」 俺はすたすたと先を歩き出す。 「あ、ちょっと!待ってよぉ…。何怒ってんのぉ?」 「しらねぇ!」 俺はそのまますたすたと道を歩いた。 周りの飢えた男共を睨みつけながら。
大人になって、一番キレイになるのかクリスだと思う。
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