ここ最近、俺はおかしいんだ。
「…何?」
「…」
「何なの?」
「…」
「何なのよさっきからじっと見て!!」
珍しく俺がブルーの顔を見つめていた。
最初は嬉しそうに微笑んでいたが、そのうち俺が何も答えなかったからか、しびれを切らして彼女は立ち上がる。
「…いや」
俺はそれだけ答えると、今度は彼女の頬に手を伸ばした。
「え、え…あ…ちょっ、何…っ」
彼女は真っ赤な顔になると、慌ててぎゅっと目を瞑る。
「最初見つめたら嬉しそうに笑ったくせに。徐々に怒り顔になって、手を伸ばせば困った顔して真っ赤っ赤…あげく」
そう言って、彼女の頬をつまんでひっぱった。
「何すんのよ!!!」
ばしっと手をはらわれる。
「っ…変な顔…」
俺は思わず笑いをこらえた。
「失礼な人ね!!さっきからなんなのよ!!!」
「いや、ほんと百面相みたいによくそんなころころ表情変わるなぁと思って」
ほんとにころころ変わるのだから、表情筋がさぞ柔らかいんだろうな…。
「何よそれ!!」
何だろう。俺にもよく分からない。
まぁ、
「馬鹿な奴ほど可愛いっていう、アレだ」
そういうことにしておいてくれ。
そんな顔ですら、可愛いと思ってしまうおかしい自分がいることの理由を。
「嬉しくない!!!!」
可愛いって言葉が台無しじゃないっ!と怒る彼女にすら、可愛いと感じてしまう、どうしようもない俺。
あぁ、末期かもしれない…。
変態兄さん誕生(え)
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