「解った。一生面倒見てやるから!」(グリブル)
 

3月26日 第64回目 「解った。一生面倒見てやるから!」(グリブル)

 

「うわーーーん!!!来ないで!!!」
「待てって言ってんだろうが!!」
大して広い部屋じゃないのに、どうしてこいつはちょこまかと逃げ回るんだ。
「1ヶ月くらい会いに来ないで!!」
捕まえたと思う腕は俺の手の中にはなく、また追いかけっこを繰り返す。
「いつもは来なきゃ来ないで泣きわめくくせに!」
「今回は事情が違うのよ!!あたし公認だからお願いだから来ないで!!」
よくそんだけ逃げ回って舌を噛まないと思う…。
「それおまえが耐えられんのかよ」
やっと壁際まで追い込んだ。
「…っ…た…耐えてみせるっ」
泣きそうな顔で彼女が軽く睨む。
「はぁ…」
俺は呆れながらも近づいた。
「やだ来ないで!!来ないで来ないで!!!」
彼女は顔を隠したまま座り込む。
「おまえなぁ…」
俺はやっと捕まえたと、両手を壁について逃げられないようにする。
「…グリーンに見られたら絶対お嫁にいけない!!」
「解った。一生面倒見てやるから!」
どうせ俺んとこに嫁に来るくせに。
「ほんと!?」
彼女はぱっと明るい笑顔で俺を見上げた。
「はぁ」
泣いた烏がもう笑う…。
っというか厳禁な奴だな、全く…。
「ねぇほんと?」
心配気に彼女が見つめた。
「前髪切りすぎたくらいでバカ言ってんじゃねー!」
額をたたけば、べしっと小気味良い音がする。

死活問題なのよ!!と叫ぶ彼女に、俺は軽く無視をした。

 

 

 


こんなバカをやる二人も好きだ。っていうか好きだ(おい)

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