「うわーーーん!!!来ないで!!!」
「待てって言ってんだろうが!!」
大して広い部屋じゃないのに、どうしてこいつはちょこまかと逃げ回るんだ。
「1ヶ月くらい会いに来ないで!!」
捕まえたと思う腕は俺の手の中にはなく、また追いかけっこを繰り返す。
「いつもは来なきゃ来ないで泣きわめくくせに!」
「今回は事情が違うのよ!!あたし公認だからお願いだから来ないで!!」
よくそんだけ逃げ回って舌を噛まないと思う…。
「それおまえが耐えられんのかよ」
やっと壁際まで追い込んだ。
「…っ…た…耐えてみせるっ」
泣きそうな顔で彼女が軽く睨む。
「はぁ…」
俺は呆れながらも近づいた。
「やだ来ないで!!来ないで来ないで!!!」
彼女は顔を隠したまま座り込む。
「おまえなぁ…」
俺はやっと捕まえたと、両手を壁について逃げられないようにする。
「…グリーンに見られたら絶対お嫁にいけない!!」
「解った。一生面倒見てやるから!」
どうせ俺んとこに嫁に来るくせに。
「ほんと!?」
彼女はぱっと明るい笑顔で俺を見上げた。
「はぁ」
泣いた烏がもう笑う…。
っというか厳禁な奴だな、全く…。
「ねぇほんと?」
心配気に彼女が見つめた。
「前髪切りすぎたくらいでバカ言ってんじゃねー!」
額をたたけば、べしっと小気味良い音がする。
死活問題なのよ!!と叫ぶ彼女に、俺は軽く無視をした。
こんなバカをやる二人も好きだ。っていうか好きだ(おい)
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