「嫌だ!!!やだやだ!!!それ以上何も言わないで!!!」
クリスは必死に耳を塞いでそう叫ぶ。
「なんでだよ。ここからがいいとこなのに」
「嫌!!聞きたくない!!!あんたの怪談話はリアルすぎて嫌なのよ!!!」
彼女は涙目になりながら叫ぶ。
「リアルっぽくなくても、怖がるくせに」
「分かってるなら言わないでよ!」
そう。怪談話が嫌いだと分かっていて、俺は彼女にそういう話をする。
なぜなら、
「だって、お前の怯える顔、すげぇソソる」
からだ。
俺はにやりとそう言い放った。
「馬鹿!!!!」
「そしてその男は…」
俺は容赦なく話を進める。
「いやぁああああ!!!聞きたくない聞きたくない聞きたくないっ!!!」
耳を塞いで必死に叫び、涙をこらえながら震える彼女。
「あぁやっぱ、お前の怯える顔、すげぇソソるわ…」
あぁ、癖になりそうだ…。
うちのクリスは怪談、雷嫌いの、炭酸ですら酔う子です。
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