「ルビー、何しよーとね?」
「…あぁ、起こしたかい?」
ルビーが、あたしの頭を優しく撫でてくれる。
ひみつきちで、どうやらうたた寝をしてしまったらしい。
月が綺麗に輝いているところをみると、もう夜なんだ。
「…んん」
あたしは首を横に振って、彼が何をしているのか覗き込んだ。
「…キミがまた破くから」
彼は、あたしが昨日木に引っ掛けて破いたバンダナを直してくれていた。
「…でも、ルビーが直してくれる…」
眠いあたしは、彼に甘えるようにもたれかかる。
「…サファイア?」
ルビーは少し慌てたように、あたしの名前を呼んだ。
なんだか、すごく眠い…。
心地よい陽気に、月明かりが綺麗で、そばにルビーがいて…
「いつまでも、一緒に居れたらよかね…」
眠さに、声が消えていく。
感じてる、感覚も消えていく。
「…っサファイア!?」
彼の慌てた声は、もう聞こえない。
「……サファイア?」
優しくあたしを撫でてくれる手。
「…ずっと…一緒だよ…」
優しく耳元で囁かれた声は、あたしの夢に、消えていく…。
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