「何見てるんだ?」
雑誌を見ている彼女を覗き込む。
「…ブルーさんが、くれたんです」
そう言って、俺にも見せてくれる。
何何?
今人気のデートスポット。
「ん?」
これ、世に言う女性誌ってやつか。
イエローでも、こういうの興味あるんだなぁ。
意外…なんて言ったら失礼か…。
イエローでも、こういうとこ行きたいのかなぁ。
遊園地とか好きなのかなぁ。
それともショッピングモール?
「ここ、ポケモン多そうでいいですよね!」
そう、ポケモンが多くて…
ん?
ポケモンが多い?
俺は慌てて、イエローが指した場所を見る。
それは、
「え?ここ?」
「はい!」
指差していたのは、その記事の横にある、広告のページ。
生い茂る森、そして山、綺麗な青い空が絶妙のコントラストをかもし出す、リゾート地区の宣伝広告。
この綺麗な森に、いっぱいポケモンがいるんだろうと、そう言うのか、彼女は。
「…ぷっ…」
「ふえ?」
「あはははは!!!」
「え!?えぇ、ど、どうしたんですか?僕、なんか変なこと言いました?」
彼女は俺が笑い出したことに本気で不安そうに見上げてくる。
あぁ、可愛いなぁ。
「…いやっ…なんでも…ない」
俺は必死に笑いをこらえる。
「えぇ?なんなんですかぁ?」
彼女はわけがわからないというように、首をかしげた。
「…はぁ。……行こうか」
「へ?」
「いつか、行こうよ。二人で」
ここに。
「……へ…」
「なっ」
俺は嬉しそうに微笑む。
「……あ……はいっ!!」
「…っ」
すっごく嬉しそうに、笑い返してくれるから、思わず顔が、熱くなった。
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