「ねぇ、グリーン」
今日も構ってくれない彼に、猫なで声。
「…」
「ねぇってばぁ」
ここ最近じゃ、振り向いてもくれなくなっちゃった。
「…ねぇえ」
しょうがないから、後ろから抱きついてみる。
でも、
「っ!抱きつくなっ」
彼は、あたしの手を払いのけた。
ここ最近、これの繰り返し。
構ってくれない、甘えさせてくれない。
寂しくて、切なくて、苦しい。
「ねぇ」
「なんだっ!」
彼は仕方なく、あたしに振り返ってくれる。
「キスしてよ…」
「は?!」
「キス…して…」
「なんで!?」
「キスしてくれなきゃ、寂しくて死んじゃう!」
「なんでだよ!」
むちゃくちゃなこと言ってるのは分かってるけどぉ、でも、これしか思い浮かばなかったのぉ。
抱きついても怒るなら、キスしてもらう以外、触れる術がない。
手握っちゃったら、離したくなくなっちゃうし。
「ねぇ。キスして」
「…っ」
彼の顔がどんどん真っ赤になっていく。
「ねぇ、グリーン」
「ねぇってばぁ」
「キスして…」
「ねぇ」
彼が黙って真っ赤になってるのをいいことに、散々甘え攻撃。
「ねぇ」
「ちょっと黙ってろ!キスして欲しきゃ目ぇ瞑れ」
あ、してくれるんだ。
ちょっとびっくり。
「…ん」
あたしは嬉しそうに苦笑して、そっと目を瞑った。
唇にぬくもりを感じるまで、あともう少し。
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