「……もし、今、……すぐ会いたいって言ったら」(グリブル)
 

9月30日 第18回目 「……もし、今、……すぐ会いたいって言ったら」(グリブル)

 

「いやぁあっ!?」
幸せなはずなのに、あの頃の夢を見る。
幸せなはずだから、あの頃の夢を見る?
「…はぁはぁ…」
胸が、息苦しくて痛い。
喉が、渇きすぎて痛い。
頭が、じりじりと痛い。
体中が、冷や汗がしみて痛い。

あたしは、今何時かも確認せずに、彼に、どうしようもなく、愛している彼に、電話をかけてしまう。

 

 

 

 

 

『…なんだよ…』
眠そうな声が、受話器から聞こえる。
時計を確認したら、夜中の2時だったのに…。

ねぇ…ねぇグリーン…

「……もし、今、……すぐ会いたいって言ったら」
それ以上の言葉が、続けられない。

時間は夜中の2時。
電話に出てくれただけでも、申し訳なさでいっぱいだった。
なのに…

 

 

 

 

 

 

 

「地の底でも会いに行ってやるよ」
さっきまでの眠そうな声とは違って、はっきりした声が、あたしの耳に伝わり、体中を暖める。
さっきまで感じていた痛みが、消えていく。

「…ありがとう」
あなたに会えるまで、あと数分。

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