ピンポーンと、めったに鳴らないインターホンの音が、部屋に響いた。
「…?…はーい」
私は、一瞬疑問符を浮かべ、ドアに近づく。
「クリス…」
誰かを確認しようと思ったら、ドアの向こうから、聞きなれた声を耳にした。
「っ……ゴールド!?」
私は慌ててドアを開ける。
「…」
そこには、いつもよりも頼りない、彼の姿がそこにあって。
「…ゴールド?どうしたの?」
そこら中泥や何やらで真っ黒になり、所々怪我をした痕がある。
どこか、旅にでも出ていたのだろうか…。
「…クリス」
再度私の名前を呼ばれる。
「なぁに?」
私は彼の表情を覗き込もうと、ゆっくりと近づいた。
「っ!?」
近づくと同時に、視界が真っ暗になる。
「…」
少し、汗と、砂の匂い。
「…体温高いよお前」
耳元に聞こえた声に、顔まで一気に熱くなった。
だって、久しぶりの再会に、抱きしめられたら、体温くらい、上がるじゃない…。
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