「れ、レッドさん」
「ん?」
彼女の白い頬が、どんどんと真っ赤に染まっていく。
そんな様子も可愛くて、笑いがこみ上げた。
「あの…いい加減、離して…欲しいんですけど」
どんどん小さくなっていく声が、さらに可愛くて、仕方がないんだ。
「…どうして?」
俺は何もないかのように、返事を返す。
「ど、どうしてって」
彼女は、さらに頬を真っ赤にさせた。
「…イエローって、何でこんなにいい匂いがするんだろ…」
俺は、さっきからずっと触っている彼女の髪の毛に、そっと口付ける。
「っ!?…あ…え…あのっ」
顔も耳も真っ赤にした彼女を見て、思わず微笑んだ。
「好きだよ」
「えぇええ?!」
「イエローの匂い…」
「あ…っ!?…も…もう勘弁してくださいっ」
彼女は恥ずかしがるように、顔を両手で押さえて俯く。
さすがに、いじめすぎたかな。
でも、本当にいい匂いで、安心する。
シャンプーの匂いもするけれど、何より森かなんかの自然の匂いが、彼女からは感じられて、まるで森の中で寝転がっているような、そんな気分にさせてくれる。
「れ、レッドさん…」
黙り込んだ俺を、恥ずかしげに見上げる。
「…もう少し…」
もう少し、この匂いに浸らせて。
マイナスイオンでも発してるんですかね…。
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