「なんだい?」
そんな至近距離で見つめられると、さすがに気になるんだけど。
「…いや?きれいだなっち思って」
「は?」
綺麗?何が?
「…ルビーの指」
服を縫っていた指を、彼女はまじまじと見つめた。
「……」
彼女は、どうしてそう素直に照れる言葉を言うんだろうか。
なんだか、少し気恥ずかしくなった。
「どげんしたと?」
彼女は上目遣いでボクを見上げる。
「…今まで、綺麗って言われるのは嬉しかったんだけどねぇ…。どうやらキミに言われてもあまり嬉しくないらしい」
素直な自分の感情に、思わず苦笑してしまう。
「えぇ?…なして?」
「キミには、かっこいいと言われたいよ」
男として、キミにはその言葉を、言って欲しかった。
今までは、綺麗や、素晴らしいという言葉が、ボクのステータスだったのに。
「……ルビーは、かっこよかし、綺麗とよ」
「…っ」
ふわりと笑う彼女の方が、可愛いと思うボクは、相当キミに、溺れているね。
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