「好きだよ、他のものなんてなんにも見えない!」(グリブル)
 

12月5日 第36回目 「……駄目だ、やっぱりあいつには俺しかいねぇ!」(ゴークリ)

 

「…クリスお姉ちゃん、大きくなったら、僕と結婚して」
そう言ったガキんちょを、思いっきり睨んでやったら、思わず泣かした。
「何してんのよ!?子供の言うことに!」
そしたら俺がクリスに睨まれる。
「…ふんっ」

あいつにプロポーズなんか10年早えぇ、出直してガキ。

「…はぁ…ったく」
まぁそう言いながら、俺だって褒められた人間じゃない。
学級委員長タイプなあいつと、肩並べて歩けるほどの人間じゃないことは分かってる。

じゃあ誰ならいいんだ?
品行方正で才色兼備とか?

「…グリーンさん?」
グリーンさんなら、後ろ盾ばっちり、家柄問題なし、顔よし、頭良し、地位あって、金があって、強さもあって…あげく女が好む高身長に年上ときた。三高すべてそろってやがる。
これなら、クリスにお似合いか?
いやでも、ブルーさんが許すわけないし、クリスはむしろグリーンさんと並ぶと地味になる…。
「いや、駄目だ…。じゃあレッドさん?」
レッドさんなら、地位はそこそこ、金もあるし、顔も悪くないし、強さは申し分ないけど…。
イエローさんのこともあるし、ぶっちゃけ人のこと言えないが、天然女ったらし。
やっぱり人のこと言えないけど、すぐ旅に出ていつ帰ってくるかわかんない。
「やっぱレッドさんも駄目だ!…やっぱり…」
シルバー…か…。
年も同じだし、顔も頭もいい方だし、強さは俺とどっこいだが、弱いわけじゃない。
だが、あいつはどこで何してんだか分からないミステリアスに加えて、危ない橋を平気で渡る、もっとも死ぬ率が高い奴だ。
「そんな奴にクリスを任せられるか!!……駄目だ、やっぱりあいつには俺しかいねぇ!」
そう言って、俺は再度クリス目掛けて走り出す。
「ごらぁあジャリ共!!俺のクリスに近づくな!!!」
「何バカ言ってんのよ!?」
真っ赤になったクリスに蹴り飛ばされたのは、言うまでもない…。

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