「クーーーリス!!」
「きゃっ!?」
ぶしつけにやってきた訪問者は、いきなり出るなり、思いっきりあたしを抱きしめてきた。
「…あぁああ」
「何!?何!!何なの!?」
いきなり訪問してきただけでも珍しくて驚きなのに、出た途端にいきなり抱きしめられては、驚かないほうがおかしい…。
「…俺、お前じゃないと駄目なんだってばぁ……」
「ゴー…ルド…?」
何を言い出すんだこの男は…。
なんなんだ…いきなり…。
顔が…熱い…。
「…っ」
「っ!?」
言葉の意味を理解しようと思考をめぐらせていたら、いきなり目の前に彼の顔があってびっくりする。
キス…される?!
「…ちょっ、ゴールド!!待って!!!」
ここは玄関だ。
あげくドアは開けっぱなしで、外から誰でも見れるそんな状況だ。
ゴールドに何があったかは知らないが、こんなところで、キスをされるのはさすがに困る!!
「ゴールド!!!」
「……」
やばい…。
やばいやばいやばい!!!
「…ん?」
「…うーん…」
あれっと思い、細目をあけてみたら…
寝て…る?
っていうか……
「酒臭い!!!!」
顔が近い分、ダイレクトに匂ってくる、お酒の匂い。
さっきまでパニクっていて気づかなかったが、顔も真っ赤で、体中酒とタバコくささから顔をゆがめてしまうほどだった。
「…う〜ん……クリスぅ〜」
「ちょっ…ちょっとゴールド!!」
ずるずると玄関で寝てしまいそうになる彼を、必死に引きずってソファーに寝かす。
「…寝言かよ…バカ…」
思わず赤面して、どきどきして減ってしまったであろう、あたしの寿命を返せ…バカ…。
起きたら、ただじゃおかないから…。
20歳以降ってことで!
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