「他のひとなんて、見ないで」(グリブル)
 

12月25日 第42回目 「……また明日、この場所で……会って、くれますか」(レイエ)

 

あなたはいつだって、捕まえたと思ったら、するすると僕の手をすり抜けて行く。
繋ぎ止められない、捕らえられない。
いつだってあなたは自由で、僕には捕まえられない…。

そんなあなたに、一つの枷をつける。

「……また明日、この場所で……会って、くれますか」

今日、待ち合わせたこのトキワの森で、また明日、アエマスカ?

 

 

 

ずるいと分かっていて、これがあなたの羽根をむしる行為だと分かっていて、僕はあなたに、枷をつける。

頼めば断らないと、分かっているから。
願えば叶えてくれると、分かっているから。

ずるい僕…。

「…あぁ…」
優しく、僕の頭を撫でる彼に、罪悪感を感じる。

分かっている。
分かっているのに、手放せない。

あなたを自由に、してあげられない。

自由に羽ばたく、あなたが好きなのに。
僕の心は、裏腹になる…。

「…ごめんなさい」
もう少しだけ、もう少しだけ僕の手の中で、羽ばたいていて。
「ん?なんか言ったか?」
優しく、いつもの笑顔で僕を撫でる彼。
「なんでもないです」
いつもの笑顔で返す僕。

あぁ…ずるい僕……。

ブラウザのバックでお戻りください。