「あーあ。もうここに来て、一週間か…。」 「…やったー!!リシア完せーい!」 「うっわー。きっまんねー…。」 「ん…あー。」 第四話 おしまい
ウィルは、体を伸ばしながら言った。
「もうそんなに経つんだー。」
そう。もうこの星に来て、一週間が経ったのである。この星の時間の進みかたは、シーイブル星と同じなので、自分の星に帰った時に、もう10年経ってたとか、3日しか経ってなかった…なんてことはない…。まぁー数秒の遅れはあるが…。
「さーて、リシアを直すとするか。」
そう言って、アルスの家を出て、リシアの元へと向かった。そしてそこには、カーシスが
いた。
「おはようございます…あれ、何してるんですか?」
何かしていることに気付いたウィルは、カーシスに聞いた。
「いや、ただの点検だよ。違ってたりしたまま、飛んだら爆発しかねないからねー。」
「ははは 」
ちょっと想像してみたウィル…。
「よし!OKじゃ!!おー、いてーのー。」
腰をおさえて言う。じじくさい…。(じじいである )
「あと、どのくらいで直りそうですか?」
「そーじゃのー。…あとは、ホログラフィーの配線と、通信用回線さえつないでしまえば、十分だと、わしは思うがのー。」
なんか、考え事をするような顔をして言った。
「ふーん…そーなんですか…。」
そしてウィルは、直し始めた。
『ジーパチパチパチ。キュッ。グオー』
いろんな音が鳴り響く。
「はぁー 」
半田ごてを扱ってるせいか、かなり神経を集中させている。マイクロチップなどを使っているので、かなり疲れる…。(基盤に取り付けなど)
「う…わー目がいて !」
そう叫んで、砂の上に寝っ転がった。
「大丈夫?ウィル。」
アルスが上からのぞいてきた。
「あー。目、以外はな… 」
「はい。」
『ピチャ』
「うわっ!?」
アルスは上から濡れたタオルを、ウィルの顔面に落っことした。
「冷てー。」
「それで目を冷やしてねん。」
そう言うとにっこり笑った。
「あ…ありがと…。」
少し照れるウィル。アルスは、また自分の家へと戻っていった。
「あ…きもちー…。」
そう言って、目を冷やした。
そう叫んでめっちゃ喜んだ。
「お!やったか、ウィルよ…。」
「はい!!とりあえず、一通りは終わりました。」
喜びを隠せないウィル。顔がにやけている。
「よし!じゃー最後の点検といくかのー。」
どっこいしょっという感じで、椅子から立ち上がり、リシアの方へと向かった。
「ほー。ほー。」
そう言いながら、眺めるカーシス。
「…。」
はらはらどきどきのウィル。天才とはいえども、初めて扱う機械には、完璧!!なんて顔はできない。
「…よし!上出来じゃ!!初めてにしては良く出来ておるぞ!ウィル。」
カーシスは、にこっと笑ってウィルを誉めた。
「本当ですか?わーよかった…。あ…ありがとうございました。」
めちゃくちゃ喜ぶウィル。
「いや。ご苦労であった。さー残りの仕事じゃ。」
っと笑いながら言った。
「えー。まだあるんですかー?」
「そーじゃ!えー、リシア…だったかのー?」
ド忘れ…。
「そーです。」
「で、そのリシアの性格設定をせねばならぬ。」
「性格設定!?」
不思議そうに言うウィル。
「そうじゃ。この星では、ホログラフィーにするものに、自分の好きなキャラクターをプログラムすることができるのじゃ。」
「へ…え、まじっすか?それ。」
驚きまくるウィル。さっきから驚いてばっかり。
「まじじゃ…ほれ!明日までに、リシアの性格を決めておくんじゃぞ。」
そう言って、ディスク型のチップをウィルに渡した。
「はー。」
見とれるウィル…。
「がんばるんじゃぞ。これで最後じゃ…。」
「はい!!」
気合入りまくり。が…。
っと、おもいっきり叫んだ。
「どーしたの?」
ちょっとびっくりしながら話しかけるアルス…。
「いや、リシアの性格ぜーん然決まんねー。性別は名前で決めたけど、性格は、名前じゃ決まんね〜。」
うだーっという感じ。今困っているのは、リシアの性格決め。天才系の命令に従うだけのタイプ。お嬢様系の、安全を気にしたタイプ。お元気娘系の、自分勝手にやるようなタイプ。この三つで迷っているである。
「あーどーしよー。」
ウィルは椅子にもたれかかりながら言った。
「ねぇーウィル…。」
「へ?」
アルスはパソコンの前に来た。
「私が決めてもいい?」
くるっとウィルの方を向いて言った。
「え?…あ…あーべつに構わないけど。」
ちょっと驚いているようだ。
「本当?ありがとう。」
そう言って、にっこり笑った…。
「あ…いや…よろしく。」
なんかぎこちない…。
「うん。」
そしてウィルは、その後寝てしまった。
大きなあくびをして、ウィルは起きてきた。
「あれ?」
ウィルは、何かに気付いた。そこには、パソコンの所で寝ているアルスがいた…。どーやら、設定中に寝てしまったようだ。パソコンは起動したままになっていて、アフターダークが起動していた。(気分転換ソフト)
「だいぶ、遅くまでやってたのかな?」
そう言うと、ウィルはアルスを持ち上げ、ベットまで運んだ。
「よっ…。」
そして、パソコンの前に立ち、マウスを動かした。
「…すっげー。全部出来てる。」
感心しながらアルスを見た。
「…サンキュー。アルス…。」
そう言って、パソコンからディスクを取り出した。