アンドロイド製作記第一話
第六話   それぞれの思い

 「どーだった?」
アルスが家から出てきて言い出した。
「ん?ばっちし!合格だって。」
「よかったね!」
にっこり笑って言った。
「あれ? アルス?」
グレイスはアルスに気付いたようだ。
「え?グレイス?」
「?」
どーやら二人は、知り合いのようだ。突然のことでウィルは、?って感じの顔をした。
「あー久しぶりだなー。約二年ぶりってとこか?」
「うん!!元気だった?」
「あー。もー元気、元気!」
軽々しく答えながら手を振った。
「そう。」
にこっと笑う。
「…?」
「あの二人は、アルスがお前と同じ歳だった時に、会わせたんじゃ。」
ウィルのことに気付き、カーシスは説明しだした。
「へー。」
この時ウィルは思った。なぜアルスは、カーシスじいさんと知り合ったのだろう。そして、グレイスもいったいどうやって、カーシスじいさんと出会ったのだろう。っと…。考えれば考えるほどカーシスは、とても謎の多い人物だとわかる。グレイスの場合はさっき会ったばっかりだから、知らなくても当然である。が、しかしこの時ウィルが、深く感じていたのは、自分はアルスについて、何も知らないんだということだった。
「ウィル。お前って、アルスに拾われたんだってなー。」
っといきなり話かけられた。
「拾われたって、犬みたいだな…。」
「ははは。わりー、わりー。」
笑ってごまかされた。
「二人って、知り合いなんですってね。」
リシアが出てきて言った。(今までどこに?)
「あー、まぁーね。俺さ、親居なくて、施設で育ったんだよ。」
説明しだすグレイス。
「え?」
まずいことを聞いた、っと言う顔をした。
「そんで俺が16歳の時に、就職口を探してたら、カーシス教授に拾われたってわけ。」
「はぁー。」
とりあえずは理解する。これで、疑問は一つ消えた。
「それで、カーシスおじいさんの親戚の私が、グレイスと知り合った、っというわけ。」
にっこり笑って言う。
「ふーん。」
納得したようだ。これで二つめ。
「拾ってばっかりじゃわい…。」
後からカーシスが言い出した。なんか、ゴミ拾ったような言い方。
「そんな…。×2」
二人同時に言った。
「あ…、ぷっ…くくくく…。」
グレイスは笑い出した。
「あは…はははは。」ウィルも笑い出した。
「よかったね。カーシスおじいさん。」
アルスは、そう言ってにっこり笑った。
「あー。そうじゃのー。」

☆     ☆     ☆

「ねーアルス〜。」
リシアがいきなり話しかけた。
「え?なぁーに?」
「アルスってさ、ウィルが居なくなったら寂しー?」
いきなり聞き出した。
「なっ!?何をいきなり。」
「だってさ、今日面接に行く時、寂しそーな顔してたから…。」
「そ…それは…。」
アルスはつまった。
「…。」
リシアも黙った。…ちょっと沈黙が続いた。
「私、小さい時に両親を亡くして、カーシスおじいさんに引き取られたの。」
アルスは、悲しそうな顔をして話し始めた。
「そー…なんだ。」
「でね、グレイスに会って、私達兄弟みたいな感じがしたの…。でもね、研究所に行くようになってから、戻ってこなくなっちゃた…。」
「…。」
リシアはずっと黙って聞いていた。
「そして、三ヶ月前に、一人暮らしを始めて、今はウィルが居るってわけ。」
「ふーん。」
「それでね。ウィルもグレイスみたいに、居なくなっちゃうのかなーって思うと、ちょこっと…寂しー気もする…かな。」
「アルス…。」
「みんな…どっか行っちゃうの…。私を置いて。」
悲しそうな顔をするアルス。
「アルスは、研究所が嫌い? 」
聞きにくそーに、リシアが聞く。
「そーね…。キライと言えば、キライだわ。」
ぎこちない笑いでリシアに言う。
「アルス…安心して!!私は!私は居なくならないからね!私はずっとアルスの側にいるよ!…たぶん…。」
曖昧な言い方だが、リシアは一生懸命アルスに訴えるような言い方をした。
「…リシア…ありがとう。」
少し驚いているようだ。
「俺は…居なくなったりしないよ。」
「ウィル !?今の話し…。」
少し赤くなるアルス。
「俺は、必ずここに戻ってくる。絶対に…。」
ドアの柱に寄りかかりながらウィルは言う。(うわっ、キザっす)
「ウィル…。」
「…アルス?」
アルスがいきなり下を向いたので、リシアが心配してのぞき込んだ。
「!?」
リシアはびっくりした。
「ありがとう…ウィル…リシア。」
「…。」
アルスは泣いていたのである…。
「ぐす…えへへ。」
泣いちゃったって感じの顔で二人を見た。これで3つ目の謎も消えた。

☆     ☆     ☆

「そーいうことだったんだな…。」
「え?なんだって?」
リシアは、ウィルの言ったことに理解不能となった。
「いや…あのさ、前にカーシスじいさんに、アルスの元から去らないでくれって頼まれたんだよ…。」
「え?」
リシアは不思議そうな顔をした。
「なんか、深刻そうな顔してたからさ、そん時はうまく言っといたけど…。ふーん。こういう理由だったんだな。」
ウィルはパソコンの前に座りながら言った。(椅子に座んない)
「で、そーすんの? 」
リシアが聞きにくそうに聞く。
「どーするも、こーするも、俺は任されたいじょう、アルスの前から居なくなることはできないよ…。」
『ウイーン』
パソコンを起動させる。(椅子に座ったし )
「だけど、もし星に戻れることになったら…。」
「…。俺、戻るつもりはない。」
少し考えている様子だったが、ウィルはハッキリ言った。
「え? 戻んないの 」
驚くリシア。
「だってさ、どーせあの有様じゃ、うちの星が負けるに決まってるし、俺が生きてるなんて思われてないだろうし…。」
パソコンのキーを押すのをやめた。
「ウィル…。」
リシアはただウィルを見ていた。
「だったらさ、必要とされる場所にいた方がイイじゃん。」
「…。」
なんとも言えないリシア。
「さーて、明日から仕事だ!さっさとやって、さっさと寝よ!」
いきなり明るくなった
「あ…うん。」
珍しくリシアが圧倒された。こうしてウィル達は一日を終えたのだった…。

                            第六話   おしまい 
光ちゃんアイランド2

 はーい!お久しぶりですー?さて、ここまでいかがでしたでしょうか?なんだか絵も書く気しないので、またトークです。っていうか、三話に一度やるって言ったので、できてよかった。なんだかすごい話になってきました。原作より少々手は加えているものの、やっぱり原作が変だと、どーこーしても変わるもんじゃないっす。本当に変な話… (笑)この話を書いていた時は、終わりが決まらなくて、大変でした。本当に、一生続きそうな感じで。そん時はそん時だ!とか思っていたが、本当にそうです… (笑)あはは。
 えーと、そりではこのへんでさよならしましょう。余るスペースもなくなってきたし。次回の「光ちゃんアイランド3」でお会いしましょーう。ん?会えるかな?もしかしたら、次に会うのは、後書きの時かもしれない。っていうか、それを願っている。でもそうでなければ、次は第九話の場所です。じゃーね〜ん。                       竹井 光